いかに資産寿命を伸ばすか
この2つのテーマこそが当該報告書の主旨ですので、「人生100年時代」を真剣に考えて行動しなければいけないプレジデントウーマン読者の皆さんには、ぜひともこの報告書を読んでいただきたいと思います(金融庁HPからPDFで誰でもダウンロード可能です)。
この報告書では資産寿命を延ばすことを求めています。若年資産形成層に対しても早くから長期資産形成へと行動を起こすことを求めており、「iDeCo」と「つみたてNISA」の有効活用を強く勧奨していて「長期・積立・分散」投資という投資行動の実践を重ねて促しています。つまりは両制度で有効に成果を挙げるための投資行動3原則まで含めて、具体的な将来の資産作りを可能とする手段として提言しているわけです。
「iDeCo」と「つみたてNISA」でつくるじぶん年金
読者の皆さんはすでにこれら両制度はご存じだと思います。
「iDeCo(イデコ)」は正式名称を「個人型確定拠出年金」という私的年金です。60歳まで毎月一定金額を拠出して自らの選択で適格な金融商品(主に投資信託)により運用した場合、60歳以降に受け取る運用成果等に対して税制優遇が付与された制度です。
「つみたてNISA」は、少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です。同じく一定の金額を積立投資によって適格な投資信託やETFで運用した場合、運用益に対する非課税期間が最長で20年となる制度です。
どちらも分かりやすくいえば、今国会で論争になっている国民年金や厚生年金などの公的年金に加えて、各人の自由意思で将来資金を育んでいく「じぶん年金」だと理解してください。これまで老後の生活を支えるための公助として役割を果たしてきたのが公的年金です。自助としての「じぶん年金」をプラスすることによって、一人ひとりが自ら納得できる豊かな人生を、自分の行動によっても実現してほしいという意図が色濃く反映されたのが「iDeCo」と「つみたてNISA」です。両制度は報告書でも再三にわたって国民参加を勧めている大変重要な非課税制度なのです。