ひと口にマンションと言っても新築を選ぶか中古を選ぶかが悩みどころ。たとえ高額でも、新築か築浅の中古が売りやすそうなものだが、「今後、築年数はあまり関係ない時代になるでしょう」と言う。
特に、最近は好立地マンションの価格が上昇中で、新築はもちろん、中古でも強気の値づけがされている。
「こまめにメンテナンスすれば本来、不動産は100年でも建て替えなしで持ちこたえます。管理状況さえ良ければ中古でも問題なし。そもそも、新築は“新築プレミアム”がついて割高なので、中古も積極的に視野に入れましょう」
ずさんな管理体制に要注意!
管理状況の良しあしは、そのマンションの長期修繕計画や修繕実績、管理組合の議事録などから垣間見えるが、資料を開示していない場合も。それでも、共用部分が汚れているなど、管理の行き届かなさが目に見えてわかることもしばしばだという。
また、マンションに住むと毎月徴収される修繕積立金にも注目したい。
「安いほうが負担が少なくてラクだと思いがちですが、少なすぎるとメンテナンスに回すお金が不足して建物が劣化、不動産の資産価値の低下につながります。今後は、修繕計画がずさんで、廃虚化するマンションが増えると考えられます。それを避けるためにも、200円/平方メートルを目安に、修繕積立金をきちんと集めている物件を選びましょう」
なお、新築物件では管理状況を調べる手だてはほぼない。
「廃虚化は、住民のマンション管理に対する無関心に端を発します。新築を買うなら、いっそ管理組合の理事になって、資産価値を維持する活動に取り組むのも手です」
Q3.転売するなら、どんな間取りが有利?
「近年は老若男女を問わず、単身世帯や2人暮らし世帯が多数派。今後もこの傾向はますます強まるはずなので、売りやすいのはそういった人たちのニーズに合致する、コンパクトな物件です」
長嶋さんいわく、広さの目安はおおむね80平方メートル以内。一方で、ファミリー向けの広い3~4LDKは売りづらくなりそうだとも。
「実際、駅から徒歩5分・70平方メートルの物件と、駅から徒歩15分・100平方メートルの物件では、圧倒的に前者のほうが引き合いは強くなります」
サイズさえクリアすれば、間取りはあまり気にしなくてもいいという。
マンションなら、リフォームで内部の変更も
「一戸建てだと、耐震性との兼ね合いもあって、間取りの変更が難しいことも多いのですが、マンションの場合は周囲をコンクリートで固めているため、壁などの内部造作を取り払って、大掛かりなリフォームをすることも比較的容易です。ただ、柱や窓などは動かせませんし、水回りの移動もなかなか大変なので、それぞれ望ましい場所に配置されているか、確認しておくといいと思います」