いつまでたっても閉店しない閉店セール
次によくあるのが「閉店セール」です。それも「いつまでたっても閉店しない閉店セール」というのを見かけたことがありませんか(笑)。以前、ある大学で消費問題を研究している学生さんたちのゼミで「閉店セール」について調査をしたことがありました。都内で閉店セールをやっている9つの店を半年にわたって調査したところ、4つの店は実際に閉店しましたが残りの5つは閉店していなかったというのです。
なぜそんなことになったのかというと、実は閉店セールといっても2つのパターンがあるからです。完全に廃業してしまう場合とお店の改装のために一時閉店するという場合です。「閉店セール」とうたいながら、閉店しないお店というのは改装のために閉店したということだったのでしょうね。実際、お店の改装のために閉店する場合では、短い時はたった1日しか閉店しないということもあるそうなのです。これなら単なる定休日と同じです。本当に閉店したのかどうか気付かない場合だってありますよね。
結局、多くの人が「閉店」という言葉で連想するのは「廃業」に限りなく近いでしょうから、ほとんど“たたき売り”みたいな安い値段になっているはずだ、というイメージを持つのでしょう。お店も当然、それを狙っていると思います。
バーゲンのときこそ、気を引き締めて
ここまでバーゲンセールについて考えてみましたが、言うまでもなく、バーゲンセールそのものが悪いというわけではありません。やはりバーゲンという言葉を聞くと心がときめくのはごく自然なことですよね。でもそんな心ときめくバーゲンだからこそ、気持ちが高揚しているからこそ、なかなか冷静に判断できないこともあります。
バーゲンセールにはそんな高揚した気持ちで買い物をする人の購買意欲をさらにそそるような仕掛けがたくさんあるということは知っておいた方がいいでしょう。
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