朝4時まで悩んで受けた、社長のポスト
最初に社長就任の打診を受けたのは、今年3月です。打ち合わせ中に、4月以降の体制について話す中で松本(現会長)から「社長やらない?」と。私は銀行でキャリアをスタートし、証券業界の経験はそれほど長くないですし、とにかくびっくりしました。しかも、創業者の松本大の後ですからプレッシャーも大きい。「無理です」と言っているうちに次の話題に移ったので、自然に持ち帰って考えることになりました。
私は普段、必ず6、7時間はしっかり寝る方なのですが、さすがにその日はなかなか眠れず、朝4時ごろまでもんもんと悩みました。
結局、「これから会社が大きく成長するうえで、何でも松本頼みではいけない。客観的に会社の将来を考えると、ここで私が引き継いで次につなげていくべきかもしれない」と考え、翌日お引き受けするという返事をしました。
悩むことに時間をかけない
何事もスピードが重要なので、何か決めるときにも時間をかけないように、できるだけ悩まないようにしています。すべての情報がそろうのを待ってから決めるのでは遅くなってしまう。今は全てのピースが埋まらない状態で、スピーディに判断することが求められていると思います。
普段の仕事の進め方も同じです。若い時は「失敗したくない」「怒られたくない」という気持ちが先に立ち、完璧なものにしたいと一つひとつ時間をかけて悩みながらやっていました。でも、それでは時間がいくらあっても足りません。仕事の効率も上がらない。それで、なるべく悩む時間を減らし、「間違っていてもいいから出しちゃえ」と区切りをつけるようになりました。もちろん、上司にはいっぱい怒られました(笑)。でも、2回同じ間違いを繰り返さなければいいかな、と。それで学んで、次に活かせればいいのですから。