「5年以内に世界経済は大不況に陥るだろう――」。そう言い切るのは世界三大投資家のひとりと称され、大の親日家でもあるジム・ロジャーズさん。そんな時代でも、一生お金に困らないようになるために、日本の女性たちはどのようなマネー術を身につければよいのか――。話を聞いた。

おすすめの投資先は……

よく、良い投資先を見つけるにはどうしたらいいかという質問を受けますが、自分が大好きな分野で、詳しく語れる「なにか」が見つかるまでは、なにもしないほうがいいです。著名なアナリストが勧めるからといって、その会社や業界のことをよく知らないまま投資を始めてはいけません。

たとえば、あなたはファッションが大好きで、豊富な知識を持っているとしましょう。日頃からアンテナを張っているので、まったく興味のない私よりもずっと早く、あなたはファッション業界の変化に気づくことができますね。そういう「なにか」を見つけたら、次は投資家と同じ発想ができるようになってください。新しい流れをつくっているのは誰か、その会社の資金は潤沢か、競争相手はいるか、といったことをリサーチするのです。よく調べて納得したら、その会社の株を買ってください。自分の知識に基づいて始めたことならば、たとえ失敗しても、対処法を見つけることができます。

人と違うことをしなければ儲けられない

私も試行錯誤を繰り返し、失敗から多くを学んで、自分の判断に自信がもてるようになりました。私の信条は「人と違うことをする」ですが、そもそも「クレイジー」じゃないと、お金儲けなんてできません。ビル・ゲイツがハーバード大を中退したとき、誰もが「クレイジーだ」と思ったでしょうが、彼は素晴らしい成功を収めた。

私はかつてアフリカ大陸をバイクで旅したとき、ボツワナで「この国は違う」と感じました。道路もホテルも店もある。闇市もなく、通貨の価値が安定している。急いで証券取引所を探して、上場している全銘柄の株を買いました。2013年には、北朝鮮の北端にある港町へ足を運びました。ロシアと中国がここに投資していると聞いたからです。自分の目で見て大きな可能性を感じたので、「これからは北朝鮮が熱い」と言い始めました。4年前、日本の女性記者に「荒唐無稽。記事にできない!」と一笑に付されましたけどね。