映画『メリー・ポピンズ リターンズ』(公開中)の完全日本語吹替版でメリー・ポピンズの声を演じる平原綾香さんとマイケル・バンクス役の谷原章介さん。ディズニーの名作映画のリメイクに初めて挑戦した二人が思い描く、一流のキャリア女性像について話し合ってもらった。デビュー15周年を迎えた平原さんは「仕事をしていくと、どんどん“男”になっていく」という。その意味するところとは――。
平原綾香(ひらはら・あやか)
2003年に「Jupiter」でCDデビュー。2004年の日本レコード大賞新人賞などを獲得。実力派のヴォーカリストとして活動しつつ、舞台にも活躍の場を広げる。2018年はミュージカル『メリー・ポピンズ』に主演した。

谷原章介(たにはら・しょうすけ)
1995年より俳優として活動。映画『天使の恋』『マーマレード・ボーイ』、ドラマ「ハンサム★スーツ」「半分、青い。」など出演多数。TV番組「パネルクイズ アタック25」、「うたコン」の司会としても活躍中

芯が強く、凛とした、ただ者ではない女性

――約20年ぶりにバンクス家に現われ、マイケルの子供たちの教育係となるメリー・ポピンズ。彼女は魔法使いであり、かつての教え子でもあるマイケルをも叱咤激励します。そんなメリー・ポピンズをどんな女性だと思いましたか?

【谷原】映画の舞台がかなり前で、1930年代の世界恐慌の時代なんですよね。メリー・ポピンズは昔の女性ではあるけれど、現代に通じるイメージがあります。独立していて、芯の強さを持った現代的な人だなと……。

【平原】彼女には様々な側面があって、少女のような時もあれば、母親のような母性もあるし、父親のような力強さも持っています。いろいろと昔のことにも詳しくて、おばあちゃんのような知識を持つ人でもあります。やはりただ者ではない感じがしますね(笑)。

【谷原】平原さんがおっしゃったように、多面的な要素を持っているのかな。彼女は“ツンデレ”でもありますよね。普段はツンとしているけれど、たまに見せる心優しい面にハートをつかまれてしまう(笑)。かつてジュリー・アンドリュースが作り上げたメリー・ポピンズ像は、とてもかわいらしくてチャーミングなのですが、今回、エミリー・ブラントさんが演じたメリー・ポピンズは凛とした美しさの中にコケティッシュな魅力があると思います。