▼物価上昇率

ゆるやかな上昇が、国民の生活を安定させる

物価上昇率も失業率と並び、政府の政策判断の指標となります。食品の物価が安定していることが国民の生活の安定につながるからです。代表的なものは消費者物価指数です。これは、消費者が購入するモノやサービスの価格を示す数値です。物価が下がったほうが国民の生活は楽になると考えるかもしれませんが、長期的にみるとそうとはいえません。デフレは経済の長期停滞に結び付きます。景気が悪くなり収入も減るので、若者を中心に人々は将来に希望を持てなくなります。結果的にゆるやかな物価上昇が望まれます。

イラスト=原田リカズ
▼原油価格

価格が上がると、企業収益にも個人消費にも悪影響を及ぼす

原油価格は企業収益や国民生活に直接影響を及ぼします。たとえば、原油価格が上昇するとガソリンの価格も上昇し、企業の運送コストは上がり、収益にはマイナスに働きます。一方で、個人の車離れや外出する機会が減るので、郊外型のショッピングセンターなどの不振にもつながります。2019年から20年にかけて原油価格は上昇していく可能性が高まっています。

渡辺林治(わたなべ・りんじ)
リンジーアドバイス 代表取締役
商学博士(慶應義塾大学)。野村総研、シュローダーを経て、企業の業績改善や資産形成に役立つ経済予測モデルを開発。著書に『乱高下あり! バブルあり! 2026年までの経済予測』。

構成=向山 勇 イラスト=原田リカズ