採用に至らなかったとき、どう対応するか
広告の難しいところは、掲載しても相手が期待する成果に結びつくと確約できないところだ。「だからこそ、営業自身をいかに信頼してもらえるかが重要」と、坪倉さんは言う。
「例えば、『このプランだと何人応募が来るの?』と聞かれたとします。広告は出してから結果がわかるものなので、必ず成功するとは限りません。『応募者が何百人いても、採用に至らなければ意味がありません。ターゲットにされている方を採用するために、このプランが最適だと思います』と伝えます。目的は応募者数ではなく、採用につながる人に応募してもらうことですから」
とはいえ、自分の給与の倍以上の広告費をかけてもらっても採用に至らないときは、先方に連絡しづらいのではないだろうか。
「顔を合わせたくないときに連絡をしなくなることほど、先方の信頼を裏切ることはありません。すぐに連絡をとって『ご期待に沿えず申し訳ありませんでした』と謝罪したうえで、なぜこの結果になったのか、分析結果を伝えます」
担当者の立場からすると、怒りの原因は応募者が来なかったこともあるが、周囲を巻き込んで意思決定をしたにもかかわらず、サービスを使って結果が出なかったことだ。原因を明確にしたうえで、いまある機能でほかにできることやオプションでできることなどを提案してフォローしていけば、担当者も上司に報告しやすくなる。
「なにかあったときも、先方がこう言ったから、と相手のせいにしたり、システムが悪いからと考えたりするのではなく、自分のなにがいけなかったのかという視点で考えて、答えを出します」と坪倉さん。そうすることで、モヤモヤした気持ちを引きずることなく、次に踏み出せるのだという。