耳で聴く「オーディオブック」なら、忙しいビジネスウーマンでも“ながら読書”がかなう。「読む」にはない独自の魅力とメリットを、脳の専門家とヘビーユーザーに聞いた。

耳からの情報は、記憶に結びつきやすい

落ち着いて本を読む時間がない。文字を追うのは目が疲れる……。それなら“視覚”ではなく“聴覚”を使った読書はいかがだろう。オーディオブックなら、通勤中や家事の間も、“ながら読書”がかなう。

イラスト=itabamoe

オーディオブックとは、本の内容が朗読された音声データをスマホやMP3形式の音楽プレーヤーなどを使って聴く音声コンテンツ。多忙な現代人のライフスタイルにマッチし、近年広がりを見せている。低価格での聴き放題サービスも登場。人気声優や有名俳優らが話題の本を朗読するものもあり、著者だけではなく読み手で選ぶ楽しさも。落語や講演会などのコンテンツもそろい、再生速度も自在。「読む」とはひと味違った魅力があるのだ。

「聴く」と「読む」では、脳への影響はどう違うのか。受験生やビジネスパーソンへの学習支援を行う本郷赤門前クリニック院長の吉田たかよし医師によると、耳からの情報は、脳が活性化したり、記憶に結びつきやすいなどの効果があるという。

「脳には、ワーキングメモリー(作業記憶領域)という情報を一時的にメモする黒板のようなものがありますが、その主要な仕組みのひとつが“音韻ループ”。音声情報を積極的に記憶しています」

▼オーディオブックの二大アプリはこれ
【audiobook.jp】
●オーディオブックの草分け的存在

オトバンクが提供するサービス。1冊単位の単品購入のほか、月額750円の「聴き放題プラン」もある。ビジネス書のベストセラー『嫌われる勇気』を、人気声優の細谷佳正と井上和彦が朗読するなど、豪華声優陣とのコラボ『極上voiceメソッド』シリーズも配信。
【Audible】
●月額1500円のコイン制。Amazonが提供

ビジネス、自己啓発、小説、洋書など20万冊以上の豊富なラインアップ。著名人の朗読作品や海外コンテンツも。会員になると、月額1500円で毎月1コインが付与され、好きなタイトルの購入に使える。無料で返品交換も可能。会員にならなくても単品購入できる。