小規模クリニックでの「無痛分娩」には要注意
【小】小さいクリニックだと無痛分娩が難しいということはありますか?
【宋】小さくても無痛分娩をやっているところもありますが、基本的に安全性が確保されていないところでの無痛分娩はおすすめしません。無痛分娩を売りに医師1人でやっているところもあります。でも何かあったら少なくともお母さんを診る医者、赤ちゃんを診る医者の2人は必要ですから、そういう体制が常時とれていないようなところはやめたほうがいい。同じく普通のクリニックの診療体制で、VBAC(帝王切開で出産した経産婦が2人目以降の出産で経腟分娩をすること)など、リスクの高いことをしているところも要注意です。
【木】大病院でも無痛分娩は麻酔医がいなければ、24時間365日対応しているとは限りませんよね。私も休日出産で麻酔医不在だったため、無痛分娩がかないませんでした。ここはチェックしておいたほうがいいと思います。
(1)無痛分娩の可否
複数の常勤医のいる安全性が確保された産院で行うことが大前提。そのうえで24時間365日対応しているか確認を。
(2)NICUの有無
早産の新生児などを収容する新生児集中治療室のこと。安定状態になったら入る後方病床のGCUもチェック。
(3)周産期センターの有無
妊娠22週から出生後7日未満までの周産期に、高度で専門的な医療を提供できる施設。産科と新生児科の両方がある。
(4)BFH認定の有無
WHO・ユニセフは規定の母乳育児を実践する産院をBFH=ベビーフレンドリーホスピタルとして認定している。
(5)母乳育児の方針
完全母乳か粉ミルクと母乳の併用かは、産院の方針で大きく異なる。個々のケースに応じる場合も多い。
(6)母子同室の方針
産後すぐからか、何日目からかは、産院の方針で異なる。夜間に赤ちゃんを預かってくれるかどうかもポイント。
(7)個室に入れる可能性とその金額
個室を希望しても空きがないことがあるので確認を。料金は大部屋よりも高い。すべて個室の産院もある。
(8)立ち会いできるか
夫のみ、少人数なら可、産婦の希望次第など産院によりけり。夫が立ち会うなら両親学級への出席が必要な場合も。
(9)家族も泊まれるか
個室なら泊まれるケースもあるが、条件や人数制限がある。夫以外が泊まるのは難しいと考えたほうがいい。
(10)分娩の基本価格
分娩料や入院料、正常新生児管理料など。無痛分娩料や帝王切開の手術料は別途加算。金額は産院によってまちまち。