運動部が盛んなモリモリの街には、熱血先生の存在が。公立でも全国レベルの成績に、街全体が盛り上がる!

全国大会の"常連"都内の中学校2校を取材

東京都教育委員会の調査で、運動能力が高いのは千代田区と判明。さらに編集部が各大会のデータを調査すると、「運動部が盛んなモリモリの街」が浮上。そこで、公立校でありながら全国大会に出場する中学校を取材した。

「最初は僕の熱さに生徒がついてこられず葛藤しましたが、『先生は間違っていない!』という保護者の励ましでここまできました」

そう語るのは、ハンドボール部の強豪校である東久留米市立西中学校の部顧問・尾石智洋先生。尾石先生は、女子ハンドボール部を5年で全国大会優勝に導いた。

「指導は個々の生徒との関わりに重点をおいています。個々に認めることで自信がつき、チームプレーでも信頼関係が育まれ、いい結果につながる。試合ではいろんな選択肢が生まれるので、状況判断力が磨かれます」

サッカーのフィールドが全面取れるグラウンド面積を持ち、教職員の団結力も強い。東久留米の街全体が部活動を応援している。

2016年「日本中学校ダンス部選手権」で全国第3位に輝いた、江戸川区立葛西第三中学校ダンス部顧問の鹿嶋博章先生は、元LOCKダンサーであり、自ら熱血なダンス指導を見せる。生徒たちとの会話も漫才のように軽快だ。

「ダンスはコミュニケーションツールのひとつ。部活が心の支柱となり、“ステージに立つときは自分らしくいられる”という生徒も多いですね。スキルが磨かれると自信がつき、物怖じしない精神が育まれます」

葛西第三は人懐っこい生徒が多く、学校、そして保護者全体が部活動に熱いと語る。運動部には、今の子に足りない自主性や判断力が身に付くメリットがある。厳しさの中にも笑顔があり、イキイキと輝く子どもたち。わが子と運動で青春を謳歌(おうか)したいママは、郊外も視野に入れてみては。

(左上)東久留米市立西中学校 ハンドボール部顧問 尾石智洋先生 担当教科は技術。「日本ハンドボール協会」の参事、U-16団長も務め、選手の育成に力を注ぐ。3児の父。
(右上)教え子が日本代表として活躍。とっさの状況判断力は社会に出ても役立つ。
(右下)江戸川区立葛西第三中学校 ダンス部顧問 鹿嶋博章先生 担当教科は理科。大学時代はLOCKダンサーとして活動。会社員を経て、熱血教師に。ちなみに、バスケも教えられる。
(左下)先生の“いじり”で部員も笑顔。ステップの練習がハイレベル!