大人気「銘柄量り炊きIHジャー炊飯器」開発者の頭の中
「お客さまの不平不満をいかに数字にするかが私の仕事です」
画期的なアイデア家電で頭角を現したアイリスオーヤマで、その製品開発に携わる応用研究部のマネージャー・鈴木真由美さん。鈴木さんは企画を考えるときに、必ず客の不平不満を参考にするという。たとえば、2016年に発売してヒットを飛ばした「銘柄量り炊き IHジャー炊飯器」は、インターネット上にあった不満が原点だった。
「商品比較サイトをよく見ていて、特にレビューの点数が低いものをじっくりと読みます」。炊飯器の開発にあたり、レビューを見てみると、低評価の口コミには客の不満があふれていた。なかでも、「硬い」「やわらかい」など、うまく炊けないことに不満が集中。鈴木さんは「なぜうまく炊けないのか」にヒントがあると直感し、「炊いた米のおいしさ」を掘り下げることにした。
ネット上で不満を探る
新しい製品を生み出すために、まず現段階でみんなの不満を探ることから始める。価格比較サイトなどのチェックは欠かせない。
不満の原因を探る
数多く見つかった「おいしく炊けない」という不満の原因を考える。仮説をもとに、数百回もの実験を通じて、不満のもとを数値化。
「ずれ」を検証する
正しく計量できないことが不満のもとになっているとわかる。どうしたら数字のずれが減らせるのかを徹底的に検討。
仮説が生まれる!
水と米の量がずれるのなら、炊飯器自体で計量できる商品を作れば売れるのではないかという仮説が生まれた。その結果、精密重量計を内蔵する必要が出てきた。