もう1つは、賞を取った作品ですね。やっぱ、賞を取った作品は優れているものが多いです。芥川賞、直木賞、本屋大賞、三島由紀夫賞、谷崎潤一郎賞……もう山ほどあります。賞によって本の傾向があります。ので、自分の好みと合う賞を見つけると、片っ端から受賞作品を読むことになって、これもけっこうな量になりますよ。
本に慣れてくると、書評家という存在にも目がいくようになります。自分と感じ方が近い書評家を見つけると、その人がすすめてる、自分の知らない作家に手を出すようになります。また読むものが増えます。
そうです。無限です。
まずは図書館でいいと思います。好きな作家を見つけたら、自分から買いたいと思うようになりますよ。たった1000円、2000円で、こんな世界を見せてくれるんだ。こんな濃密な時間をくれたんだ。ありがたい。
こうなると、その1000円、2000円は安いとすら感じます。身銭を切ったから身になるんじゃなくて、身銭を切ってでも欲しいと思うのが先だと思います。
撮影=遠藤素子