若年性の緑内障と診断され鍼灸師の資格取得を決意
「若年性の緑内障と診断されたんです。将来的に失明する可能性もあると言われ、『これは新しいことを探せってことだな』と、鍼灸(しんきゅう)師の資格を取ろうと決めました。実は、子どものころに東洋医学の治療院で病気がよくなったことがあって、興味があったんです」
資格を取るならいつ始めようか、と考えていたところで妊娠、出産。育休中に「この子に誇りを持って話せる仕事がしたい」と、鍼灸専門学校の受験に踏み切った。会社に通学可能な働き方を相談したが折り合わず、結局、退職した。
午後だけ働ける職場を探していたところ、知人が元陸上競技選手の為末大氏が経営する会社を紹介してくれた。職種はメディア担当。「それなら、広告会社での経験が活かせそう」と応募した。
「鍼(はり)の仕事って面白そうだねと、子育てしながらの資格取得を応援してくれる職場です」と笑顔で話す荒川さん。
「最近は長時間労働で体調を崩してしまう方も多いので、そんな方の力になれるような鍼灸師を目指します」
25歳:大手広告代理店の仕事は楽しかったが、セクハラとパワハラで心が弱る
27歳:余震が収まらない中でプレゼン資料をつくり、自分の仕事に疑問を持つ
28歳:失明の可能性を医師に指摘され、鍼灸師の資格取得を考える
30歳:長女を授かり、最高にハッピーな状態に
31歳:時短で勤務できる会社に転職。鍼灸専門学校に通い始める
撮影=ヒダキトモコ