「積立」と「長期」を味方に投資信託で運用する

金融機関が「運営管理機関」となって確定拠出年金を扱っており、個人型に加入する場合は自身でいずれかを選び、申し込みます。インターネットで「イデコガイド」と検索すると、取扱金融機関などの情報が確認できます。

転職、休職、独立などの際にも、企業型から個人型に切り替えるなどして制度の利用を続けられます。

積立額は年に1回変更できますし、出産、育児などで家計に余裕がないときは一時的に積み立てを休むことも可能。いろいろな転機がある女性にとって、続けやすいというのはとても大事なポイントです。

個人型では、加入時に一律2777円の手数料が必要。以降は口座管理手数料がかかり、金額は運営管理機関によって異なります。年間5000円以上の例が多いですが、資産額が10万円以上なら無料(楽天証券)、同50万円以上なら無料(SBI証券)などの例もあります(別途、事務委託先などへの手数料はかかる)。

運用する商品については、「投資信託がいいでしょう」(井戸さん)。

確定拠出年金で毎月少しずつ買っていくと、高いときにたくさん買ってしまう失敗を避けやすく、長く続けることでじっくり増える期待ももちやすくなります。大きく増えれば、運用益が非課税になるメリットも生きてきます。「日本株と外国株のインデックスファンドを組み合わせるのがおすすめです。安全性を重視するなら、バランス型ファンドを候補にしましょう」と井戸さん。

有利な制度を使いこなすのも、お金を増やす大切なポイントです。

 
▼コストも意識、口座管理手数料をチェック
加入中にかかる口座管理手数料。一般的に拠出額にかかわらず一律のため、拠出額が少ないほど割高になります。とはいえ、最低額の月額5000円(年間6万円)の拠出で、所得税率10%の人でも、住民税(10%)と合わせて節税効果は1万2000円。金融機関をしっかり選べば、コストが節税額を上回ることはなさそうです。
井戸美枝
社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー、複雑なお金にかかわる動きをかんたんに読み解く経済エッセイストとして講演、執筆、テレビ・ラジオ出演などで活躍。著書も多く、『ズボラな人のための確定拠出年金入門』(プレジデント社)も好評。