小銭を探せる女性は大きなお金の扱いも得意
女性は買い物をすると、なるべく小銭を探して出します。男性は一万円札をポンと出すことが多い。そのほうが太っ腹でいい気分です(笑)。しかし、一万円札は一度崩すとすぐに使ってしまいがちです。なぜなのか。これはメンタルアカウンティング(心の会計)という経済学の考え方で説明できます。心の会計では、同じお金でも、一万円札は“使いづらいお金”と仕分けし、千円札は使っていい日常のお金と仕分けしてしまうから、一万円札は崩すとなくなるのです。女性は、一万円札のままのほうが節約できると知っていて、なるべく崩さず小銭で払うのです。
さて、それでも大きなお金は苦手と思う人はいるかもしれません。本来、お金には大きいも小さいもなく、問題は捉え方を勘違いしていることです。
ポイントは2つあります。ひとつは、お金を「率」ではなく常に「金額」で考えることです。
100万円の預金がある人が、預金金利が0.03%で安すぎるので、投資信託を勧められたとしましょう。その投資信託が、仮に、値上がりも値下がりもしなかったとしても、毎年「信託報酬」という名の手数料が安いものでも年間0.2%ぐらいかかり、多くは購入手数料もかかります。つまり、毎年2000円以上ずつ引かれ、おまけに投資信託は値上がりする保証はありません。預金は1年に300円しか利息がつかないから損だとは、簡単には言えないのです。これは率ではなく、金額を考えれば自明のことです。
また、2つ目のポイントとして、必ず、売り手の立場に立って物事を考えてみることです。自分が「儲かる」商品を勧められたら、相手の側に立って、どこで儲けるつもりなのか想像してみましょう。
消費者だけが得する商品など、絶対にありません。入会無料で人を集めている場合は、誰かをカモにして高額商品を買わせることで元をとっているなど、必ず裏があるのです。
最後に小さなお金も「大きなお金にする」ための方法を伝授しましょう。古今東西、財をなした人は、毎月一定額を強制的に預金し投資しています。天引きや口座のサービスで、強制的に毎月一定額を積立預金・投資にまわしましょう。これがいずれ「大きなお金」になります。もう「大きなお金を考えられない」なんて悩まなくていいんです。