それぞれの英語検定が持つ特徴&強みとは?

その他の英語検定で、老舗の存在感を放つのが英検だ。文部科学省が後援し、中高生の受検者が多いことが特徴。ネーティブでも落ちることがある英検1級を持っていれば、高い英語力の証明になる。

「ただし点数制ではないので、同じ級でも余裕ある合格かそうでないのか、こまかい実力が判断しにくい。そのため、ビジネスの指標としてはあまり用いられていません」(Sapiens Sapiens 代表取締役 山内勇樹さん)

TOEFLは、大学の講義や学生の会話といったキャンパス英語を主体にした検定。一般入試、AO入試などの受験時にスコアが利用できるなど、大学で幅広く活用されている。社会人視点で見れば、海外留学や大学院への進学といったアカデミックな場に戻るときや、国連関係、国際公務員を目指すときに役立つ。

そして世界的にもっともメジャーと言えるのが、IELTSだ。誕生したイギリスだけでなく、オーストラリア、カナダでは移住申請に用いられ、多くの高等教育機関で評価の対象になる。アメリカ以外の海外への移住や就職、ワーキングホリデーなどを考えている人は、スコアを取っておくと有用だ。

なおこれ以外にも英語検定は増えているが、上智大学と英検が共同開発したTEAP、英語学校のベルリッツが実施するGTEC for STUDENTSなど、中高生を対象にした検定が目立つ。現役受験生世代はなおさら、今以上に英語力が求められることがうかがえる。

一度受けてみて損はない!

英語の必要性を感じ、これからTOEICを受けようと考える人は、まず何点を目指せばいいのか。山内さんによれば、新卒で就活するなら最低ラインとして600点以上。海外に関係する仕事に就きたいなら800点以上が必要。そこである程度の実力を証明できたら、スコアを追求せずビジネスに即した勉強にシフトしていくのもひとつの考え方だという。

「ただ、アピールするかしないかは別にして、一度受けてみて損はないと思います。英語を学びたいと思っても『何をしていいかわからない』と迷って前に進めない人が多いのですが、受けると決めれば勉強するきっかけになる。もし結果が悪くても、自分のできることとできないことが把握できて、何点を取るために頑張るという目標も設定できます」(山内さん)