コンピュータに人間のような認識をさせる
AIとは、Artificial Intelligenceの略で、人工知能のこと。AIは単なる計算だけでなく、情報を取り込めば取り込むほど学習したり、これまでのデータから推論したりします。
国立研究開発法人 産業技術総合研究所人工知能研究センター上席イノベーションコーディネータの杉村領一さんは、AI研究を「人が外の世界を見たり、感じて、考え、行動したりするように、コンピュータにも外の世界を見せて、考えさせ、行動させる研究」と説明します。
こうしたAIの“学習”のやりかたを「機械学習」といいますが、これまでの機械学習は、読み込ませるデータの中で注意すべき特徴を人間が教えたうえで、学習させていました。最近では、人間の脳の神経細胞のような「ニューラルネットワーク」というしくみを使うことで、データの特徴をより深いレベルで分析し、学習できるようになっているそう。
なかでも、データを解析する層が何重にもなり、学習の精度が飛躍的に向上したのが、ディープラーニング(深層学習)です。データを入力すればするほど、人間が教えなくても、自動的に注目すべき特徴を捉えて、深く学習していきます。囲碁の世界チャンピオンを負かしたアルファ碁や、MasterというAIもディープラーニングで強くなり、人間が考えつかない手を思いつくまでになりました。