倹約家、オシャレ、情熱的に人を愛する……。日本人がフランス人に持っているイメージの実情はいかに? 日本と比べて際立って違う9つのことを現地レポート!
「ふらんすへ行きたしと思へどもふらんすはあまりに遠し」と大正、昭和時代の詩人、萩原朔太郎がつづったように、フランスは特に文化面で、昔から憧れの対象だった。しかし、日仏両方の価値観の違いを観察し続けてきたエッセイスト、吉村葉子さんは「今や日本人とフランス人の立ち位置は完全に対等なものになった」という。一方的に憧れるのではなく、それぞれの特徴を知ったうえで、フランスに学ぶべきところは自分たちも取り入れるという段階にあるのだ。とはいえ、両者にはいろいろな面で決定的な違いがある。
まず、フランスは歴史上異民族との戦いや宗教戦争に明け暮れた経験から、他人を容易に信じない、シビアな価値観が人々の間に深く根を下ろしている。
また、企業で出世するのはほとんどが「グランゼコール」というエリート校の出身者で、だれでも勤勉に働けば出世すると思っている人はいない。
そして公立なら大学まで授業料が無料であるため、貯蓄やお金の使い方にも違いが出てくる。
吉村さんはこうした根本的な違いを認識したうえで、フランス人の考え方を適宜参考にできれば、日本人女性はもっとすてきに快適に暮らせるのでは、と話す。それは「自らの価値観にしたがって生きていくこと」だ。吉村さんに具体例を紹介してもらおう。