早い人なら年明けまもなく、鼻がむずむずし始め、目がかすんできたりするのではないだろうか。そう、花粉症の季節がこれからやってくる。そこで、花粉症治療・研究の第一人者である、日本医科大学教授の大久保公裕さんに最新の花粉症情報と対策を聞いた。
まずは代表的な花粉、スギ・ヒノキの飛散の予測から。「2017年は『西高東低』で、関東は平年並み、関西は例年よりかなり多くなります」(大久保さん)。花粉の量には前年の夏の暑さが影響し、とくに大阪の2016年夏の気温が高かったからだ。
花粉飛散予測で「初めて花粉が飛んだ」といわれるのは1平方センチメートル当たり1個の花粉が観測されたとき。「症状の出方は個人の感受性によって違うので、1平方センチメートル当たり1個でも、症状が出る人もいます。早く症状が出るとわかっている人は気象庁や花粉飛散予報サイトで確認し、早めに薬を処方してもらうなど、初期対策に努めてください」(大久保さん)
花粉対策は、帽子、眼鏡、鼻や顎に隙間ができにくいマスク、スカーフ、花粉がまとわりつきにくいツルツルした素材のコートなどを使ったり、外から帰ったら全身を払ったりするとよい。マスクはどんなに目の細かいものでも、鼻や顎に隙間があれば意味がないので形状に気をつけよう。
「女性の髪は見過ごしやすいポイント。帽子をかぶり、長い髪はまとめましょう。全身に花粉を浴びている、というイメージを持つと、防御するにも払い落とすにも効果的です」(大久保さん)
鼻づまりや目のかゆみは、洗うとすっきりする。「鼻は薬局で売っている『生理食塩水』で」、目は水道水でも大丈夫だが、「いずれも洗いすぎは粘膜を傷めるので厳禁です」。