夫が会社員や公務員で厚生年金に加入していた場合は、遺族基礎年金のほか遺族厚生年金も受給できます。遺族厚生年金は、妻、子、孫と、55歳以上の夫・父母・祖父母(支給開始は60歳から)が対象で、遺族基礎年金より受給できる人の範囲が広くなっています。金額は亡くなった人の年収や年金加入期間によって異なります。妻は再婚しなければ生涯、遺族厚生年金を受給できますが、30歳未満の妻で子どもがいない場合の受給期間は、夫の死亡時から5年間となります。

遺族厚生年金には、40歳以上65歳未満で子どもがいないなどの支払要件に該当する妻は、40~65歳になるまで、年間58万5100円が加算される「中高齢の加算」もあります。

いずれの遺族年金も自動的に受け取れるものではなく、請求の手続きをしないと受給できません。会社員なら会社で、自営業なら住んでいる自治体の窓口で手続きをしましょう。なお、遺族年金を受け取っても所得税はかかりません。

会社員は、会社から死亡退職金や弔慰金が支給される

会社に勤めていた人が亡くなった場合は、会社の規定により死亡退職金や弔慰金が支払われます。死亡退職金は、定年や退職時に払われる退職金のように、亡くなった人が会社に勤めていた功労に対して払われるもの。勤続年数や給与の額によって違います。この死亡退職金は相続税の対象になります。

弔慰金は、社員が亡くなったことに対して弔意を示し支給されるもの。業務上の死亡の方がそうでない場合よりも多くの金額が受け取れる規定になっている会社が多いでしょう。弔慰金は通常相続税の対象にはなりません。