働くスタイルによって分かれる「夫選び」の傾向

失敗しがちな夫選びは、女性の働くスタイルによっても傾向が分かれます。

一番失敗しやすいのは、フルタイムで働く正社員。自分に自信がある一方で、仕事に疲れを感じて、「そろそろ結婚でもして癒やされたい」と考えがち。とはいえ、強気な部分もあるので、相手に対して「結婚してあげる」と上から目線になることも。仕事での自己分析は得意なのに、結婚するにあたっての自分の強みや弱みを分析するのは苦手です。男女平等意識も強く、結婚後の家事や育児参加への要求も多いはず。これでは、相手も負担を感じて嫌気がさしてしまいます。結婚後に「こんなはずではなかった」というパターンに最も陥りがちです。

イラスト=深川 優

似たようなタイプが、フリーランスで働く女性。仕事が忙しいので、相手や自分への向き合い方が足りないし、つい自分が頑張りすぎる傾向があります。結果的に、男性側が受け身になりがち。そういう関係性は結婚後にお互いが不満をためこみやすくなります。

一方で、婚活への真剣味が違うのが派遣社員。相手の職業や経済力、性格などもしっかり分析し、自分の強みもわかっています。「絶対、幸せな結婚をする」とゴールに向かい戦略を練るので、夫選びでも成功しやすいです。

アルバイトやフリーターの女性は、相手に対して受け身になりやすい傾向があります。夫となる男性からは、言うことを聞いてくれて、気持ち的にラクな相手と受け止められます。そして彼女たち自身も、夫への要求があまり多くないので、後から「失敗した」となることが少ないでしょう。

とはいえ、どんな組み合わせのカップルでも、幸せな結婚生活を続けていくには、お互いの努力が不可欠です。そのためには、「好きな人と暮らしたい」という結婚の目的が2人とも同じであることが大事。その目的が違うと、いくら努力したところでひとり相撲になってしまうだけ。夫選びでは、自分や相手を冷静に分析し、同じ目的を持って結婚できる相手かどうかをしっかり見極めてください。

岡野あつこ(おかの・あつこ)
夫婦問題研究家、離婚カウンセラー。1954年、埼玉県生まれ。立命館大学産業社会学部卒業、立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科(社会学MBA)修了。自らの離婚経験をもとに、夫婦問題に関するカウンセリングを行い、相談件数は累計3万件超。『「最高の離婚」のつくりかた─The Best Divorce』(自由国民社)、『貴女が離婚を決める前にしなければならない8つのこと』(ゴマブックス)など著書多数。

構成=工藤千秋 撮影=岡村隆広 イラスト=深川 優