イケメンエリート、ネット婚活でも自滅!

彼が利用したのはインターネット検索型の婚活サイトだった。開始1時間で女性からのお見合いのオファーが100件を超えた。3時間を超えるころには、500件以上に膨らんでいた。

「大西さん、この数ではじっくり見ると言ったって限界がありますよ」「確かに。ちゃんと見ていたらおじいさんになっちゃいますよね」「そうなると、プロフィールを見る前に絞り込みせざるを得ないのです。まず年齢制限をかけます。一番申し込みが多いのは、30代後半から40代前半の方なので、この人たちをガサっと切ることになります。それでやっと3分の1ぐらいまで減るでしょうか」「3分の2が歳上の女性からなんですか?」「はい、そうですね」

「その次に、申し上げにくいのですが……。写真ですね。顔が好みでない人はどんどん削除していきます」「では、プロフィールは?」「年齢で絞り込み、写真を確認した後に、残った方のプロフィールを読んでいきます」「それは何と言いますか……」

条件のいい男性には雨後のたけのこのように女性が集まり、処理できない数に膨らむ。そこから年齢制限とルックス審査の2つの関門を通過した人だけが、やっとプロフィールを読んでもらえるという段階にたどり着けるのか。

「でも、結婚を考えるなら、見るべきは内面じゃないですか。だからその絞り込みの作業を終えた段階で、『もしかしたら僕の理想の女性を削ってしまったんじゃないか』という不安でいっぱいになりました。年齢と外見で女性を判断している自分に気付いて、嫌悪感にも襲われました。結局、誰に会うこともなくネット婚活をやめ、今日ここに来たわけです」