経済の本【中級】
-実生活で使える「先読み」の視点が身につく
『その問題、経済学で解決できます。』ウリ・ニーズィー、ジョン・A・リスト(東洋経済新報社)
アメリカの事例を基に経済学理論で解決を目指すケーススタディー型の一冊。身近なテーマから難易度を上げた事例まで、興味に沿って拾い読みするとよい。経済学的に実生活をみる「先読み」の視点が身につく一冊。
『機械との競争』エリック・ブリニョルフソン、アンドリュー・マカフィー(日経BP社)
IT化が進む資本主義社会で、人は機械に仕事をとられていく。競争相手は人ではない。消えていく会社、残っていく会社とは? マルクスの『資本論』をベースに、これから生き延びる人材や仕事を解き明かした一冊。
『出社が楽しい経済学』吉本佳生、NHK「出社が楽しい経済学」制作班(NHK出版)
現実にありそうなテーマを例に、経済学の理論を応用して解説している。レベルの高いものもあるが、会社ですぐに応用できそうな例は必読。読みたい項目、自分や周囲に起こりそうな項目を拾い読みするのもよい。
経済の本【上級】
-「人類の欲求」とは。心の深海に潜っていく
『競争と公平感 市場経済の本当のメリット』大竹文雄(中公新書)
経営レベルの判断を求められる人には必読の一冊。国内外の学者やシンクタンクの研究成果を引用しながら、日本人は市場経済の中で競争や公平をどうとらえているのか、労働者に望ましい環境や条件とは何かを論じている。
『アダム・スミス「道徳感情論」と「国富論」の世界』堂目卓生(中公新書)
『国富論』以前に、アダム・スミスは『道徳感情論』で人間の内面的幸福を語っている。内面的幸福と経済成長の関係、それらがもたらす人間の幸せを解説。「なぜ経済成長が必要か?」その問いに答えてくれる経済哲学書。
『入門経済思想史 世俗の思想家たち』ロバート・L・ハイルブローナー(ちくま学芸文庫)
「供給」が経済をけん引するとした新古典派、「いや需要である」と説いたケインズ派、資本主義は終わりを迎えると説いたマルクス……経済学の巨匠がどんな時代に、何を考えたのか、経済理論の原点に触れられる一冊。