あなたも後輩も成長できる選択肢は1つ
【本田健さんの回答】
こういう部下には、早くどこかの部署に転属してもらいたいですね(笑)。せっかくのご質問なので、大事にお答えしたいと思います。
あなたには、いくつかの選択肢があります。まず、あなたが先輩としての役割を果たしたいかどうかです。もし、そうなら、先輩として、自分ができていないことを認めた上で、彼女ができていない部分を指摘してあげるというのが、1つ目の選択肢です。後輩が本当に優秀なタイプなら、しっかり受け止めて、あなたに感謝してくれるでしょう。将来、あなたよりも出世して、いろいろと便宜をはかってくれるかもしれません。
でも、あなたの言葉が受け入れられず、さらに馬鹿にされるというリスクもあります。それは、屈辱的ですが、このプランを取った場合に起こる可能性の1つです。それで、あなたが困るわけではありません。
先輩として関わりたくなければ、適当に付き合って、どちらかが異動するなど、関係が自然と切れるのを待つというのが2つ目の選択肢です。多くの人は、この選択をするでしょう。もちろん、それがいけないわけではありませんが、あなたにも彼女にも成長のチャンスはありません。
3つ目の選択肢は、あなたが本気になって仕事で結果を出し、後輩の尊敬を勝ち得ながら、その上でアドバイスするというものです。優秀な後輩のおかげで、あなたも優秀な道に行く可能性が出てきました。こういうシチュエーションで奮起できるタイプは、後に出世して、役員になったり、社長になったりするようです。
もちろん、どれがいいか悪いかではありません。波風を起こさず平凡に生きるのか、それとも優秀な人への道を歩むのか、彼女の出現によって選択するきっかけが与えられたのです。少なくとも、そのことを彼女に感謝することはできるのではないでしょうか。そして、あなたがどういう行動に出るのか。それが、あなたの10年後を決めるしょう。
作家。神戸生まれ。経営コンサルタント、投資家を経て、29歳で育児セミリタイヤ生活に入る。4年の育児生活中に作家になるビジョンを得て、執筆活動をスタートする。「お金と幸せ」をテーマにした1000人規模の講演会、セミナーを全国で開催。インターネットラジオ「本田健の人生相談~Dear Ken~」は2000万ダウンロードを記録。
代表作『ユダヤ人大富豪の教え』(大和書房刊)など、これまでに著書は100冊以上、累計発行部数は680万部を突破。
【本田 健 公式サイト】http://www.aiueoffice.com/
文=本田健、河崎環 イラスト=伊野孝行