さりげなく、もしくは砕けた雰囲気でかわいく伝える
【河崎環さんの回答】
なんて愛らしい上司なのでしょうか。「シュミレーション」はオジサン世代の言い間違いあるあるの代表格ですが、「コペピ」は新しい。オリジナルです。なんともキュートな語感に、むしろ何かの才能を感じます。でも部下としては愛らしいなんて余裕をかましているわけにもいきませんよねぇ。上司のプライドの高さですとか、性格にもよるのですが、そこは上司もいい大人なのですから、正確に話ができないと取引先からの評価が下がってしまい、本人にも不利です。「あの社の◯◯さん、天然だよね(笑)」というのならまだ好意的ですが、仕事ができない印象を与えてしまうのは部下としても避けたいですね。
「指摘するのは差し出がましいので控えている」とのことですが、私なら自分の発言機会に「コピペ」とさりげなく言い直して、上司が気づくかどうかを見ます。たぶんその上司は気づかない性格なのでここまで来てしまったのでしょうが、少なくとも取引先には「この上司は天然であり、部下はちゃんとそれを把握しフォローできている」との印象を与えることはできますね。そして、あまりに目に(耳に?)余るようなら、砕けた雰囲気の時にでも「そういえば部長、差し出がましいようですがコペピ、ではなくて正しくはコピペ、です。ずっと気にはなっていたのですが、申し上げるほどのことじゃないかしらと……」と、チャーミングに伝えると、「えっ? ヤダ~!(衝撃)」とすんなり聞いてもらえるかもしれませんよ。
フリーライター/コラムニスト。1973年京都生まれ、神奈川育ち。乙女座B型。執筆歴15年。分野は教育・子育て、グローバル政治経済、デザインその他の雑食性。 Webメディア、新聞雑誌、テレビ・ラジオなどにて執筆・出演多数、政府広報誌や行政白書にも参加する。好物は美味いものと美しいもの、刺さる言葉の数々。悩みは加齢に伴うオッサン化問題。
文=本田健、河崎環 イラスト=伊野孝行