スイッチの切り替えがロマンスを遠ざける
男性との出会い、人付き合いをよくすること、そして毎日の生活に楽しみを見出すこと。これらが自分の中でひとつにまとまってくるまでは、フラストレーションやイライラを感じることもあるでしょう。仲間をつくり恋人を見つけることが、本当に大変なことに思えてくるに違いありません。一人寝は寂しい、だけど愛を探し求めるために生活のすべてがストップしてしまうのもイヤ。それでもなお、愛を求めて、インターネットやオンラインのお見合いサービスに登録する人がたくさんいます。恋愛や男性との出会いを、まるで何かの雑用か、仕事か、ちょっとした副業のように扱ってしまうのです。
インターネットを通じて、恋人やボーイフレンド、もしくは未来の夫を探す〈ショッピング〉に出かける。自分のプロフィールを掲示して、お誘いがくるのを待つ。そして確かにお誘いはくるのです。本当にこれは、愛のネットオークションのよう。ただしこの未来の恋人に対して、ケイト・モスで有名になったフェイクの豹柄コート以上の詳しい推薦コメントを書いてくれる人はいません。
だいたい10年前に撮ったみたいな、あの顔写真はどう? あと最近わかったのは、他人のプロフィールを掲示しちゃう男までいるらしい。つまり、今見ているプロフィールとはまったくの別人ってこと。だからなのか、実際に会おうとすると、連絡がとれなかったり、会えたとしてもうまくいかなかったりすることが多いようです。最悪の場合、しつこくプロポーズしてくるメールから逃れるために、アドレスを変更しなければならないことだってあります。
インターネットのお見合いサービスを利用しているフランス女性もいるにはいますが、アメリカほど一般的ではありません。フランス女性は自分の生活について、わたしたちのように分析して説明したりしないからです。彼女たちにとっては、日々のすべての瞬間、そしてすべての出来事が、人生の官能的な喜びを感じるチャンスなのです。本当のカギはそのあたりにあります。「スイッチをオンにして活動を始める」とか「スイッチをオフにして活動をやめる」という感覚がないのです。なぜなら、人生のすべてがロマンティックで官能的で、喜びに満ちたものだから。日常の中に誘惑がひそんでいることだって珍しくはないのですから。
※本連載は書籍『セクシーに生きる ――年を重ねるほどに、フランス女性が輝きを増す秘密』(ジェイミー・キャット・キャラン著、プレジデント社刊)からの抜粋です。
アメリカ生まれ。フランス人である母方の祖母のもとで育ったアメリカ人女性。書籍『セクシーに生きる』(プレジデント社)(http://presidentstore.jp/books/products/detail.php?product_id=1067)は、リアルな告白エッセイとして高い評価を得、たちまちベストセラーとなり、10カ国以上で翻訳されている。ニューヨークタイムズ紙をはじめ多くの新聞雑誌に恋愛指南コラムを執筆するほか、ニューヨーク大学、エール大学、 UCLAでライティングの講座をもつなど、著作以外の活動も活発に行っている。マサチューセッツ在住、気象科学者の夫とともに暮らす。http://www.jamiecatcallan.com
訳=永峯涼