結婚したい女子のために、川崎さんがハンティング術を指南

――川崎さんの新刊は結婚したい女子のためのハンティング・レッスン。非常に刺激的なタイトルです。

【川崎】今、本業ではジョヤンテという会社を通じて、女性の企業における活躍推進のコンサルティング業をやってるんですが、同時にライフワークとして「魔女のサバト」という婚活の勉強会をやっています。もう4期生がスタートしてる段階なんですね。

女性のキャリアカウンセリングをやっていると、結果的にプライベートのビジョンも聞かなきゃいけなくなるんですね。来年もしかしたら結婚する人に、既婚女性のモデルケースが少ない企業を紹介してしまうと大変なことになりますし。で、話を聞いていると、結局、悩み相談になってしまうんです。

19年間、そうやって女性たちのキャリアと結婚の悩みを聞き続けてきました。その中の恋愛や結婚の部分を抽出して、アラサーの女性たち向けに「ロマンティックなプロポーズなんて待っているんじゃありません!」とか、「こうやって男性を見つけて、こうやって自分のビジョンとすりあわせをして、こうやってコミュニケーションして、自分の思い描く自分の人生に、男性達を巻き込んでいけ!」って煽っている本です。

プロポーズは男性からしなくてはいけないもの?

――「ロマンティックなプロポーズなんて待っているんじゃありません!」というのは面白いですね。普段男女平等というか、男も女も対等に暮らしているのに、ある日突然プロポーズするときだけ男らしくなれって言われても、男性も困るのかもしれません。

【田中】そうですね。今の川崎さんのお話はとってもいいなと思います。ぼくも『男がつらいよ 絶望の時代の希望の男性学』という本に書いたんですが、大学生に調査すると、まだまだプロポーズや告白は男からするべきだと考えている人が多いんです。

――今の大学生でもそうなんですか。

【田中】はい。男女ともに8割が「告白は男からするべき」だと思っていて、プロポーズとなると9割くらいの人たちが、男がするべきと思ってるんです。

武蔵大学助教 田中俊之さん

ここから何が言えるかというと、結局「重大な決断は男性がすることが求められている」ということなんです。“女性はリードされる側で、男性がリードする側”という構図が、今の若い子たちにも色濃くあるわけですよ。それが良いとなると、特に仕事の場において不利になりますよね。女性はサポート的な役割をしなければいけないとか、男性を盛り立てる役割しかできない、ということになっていってしまうので。告白やプロポーズといった場合は恋愛の話ですけど、恋愛に限らず、さまざまな場面で「自分が主体的になる」ということを女性に勧めるのは、非常に重要なことなんじゃないかなと思います。

【川崎】そうなんですよね。それがすべての生き方に出ちゃうと思うんです。(相談に来る女の子たちは)みんなかわいいし、仕事もがんばってるし、いい彼氏がいるのに、なぜかそういうところだけは預けてしまう? というもったいなさがあって。「どっちがプロポーズしてもいいんだよ、どっちが告白してもいいんだよ、その後幸せならいいでしょ?」と私は思うんですが。