NOと言ってはいけない場面は、断るのではなく交渉を
社員同士の親睦の意味を含む飲み会と社員旅行は、可能な限り参加したほうがいいというのは全員同意見。
「僕は親の葬式があっても行ったほうがいいと言うほう。なじめないなら、なじむ努力をしたほうがいいですよ」と内藤さんは、少し手厳しい。
不利な契約を結ばれそうなときは、言い方が最も難しく、断り力がより試される場面。
「言われるままに結ぶのもダメだし、でも一歩でも向こうが譲歩してくれたらよしとしようという何か基準を見つけるといいですね」(塚越さん)
もしあなたが30代前半であれば、とっておきの裏技がある。
「契約書を見たときに『えっ』と言って黙り込む。そうすると向こうが察して『そりゃそうだよね』と言ってくれることが多々あるので、若いうちは有効かなと思います」(藤田さん)
いずれにしても自分が弱い立場にならないことが重要。やはり断り力はイコール交渉力なのかもしれない。
●補足:とにかく女子は“顔芸”が大事!
「女性にぜひ覚えてほしいのが“顔芸”。たとえば謝罪するときに歯をくいしばり顔を赤くするなど表情を大げさにすると、気持ちが伝わりやすくチャーミング。鏡を前に練習してみてください。マンガの表現もご参考に」(藤田さん)
コミュニケーションデザイン研究を行うアップウェブ代表取締役。交渉の仕方は著書『NOと言えないあなたの気くばり交渉術』に。
塚越友子
東京中央カウンセリング代表心理カウンセラー。専門はコミュニケーション論。『辞める前に読む!』のほか、著書多数。
内藤誼人
アンギルド代表取締役社長。立正大学客員教授。実践ビジネス心理学を中心に企業へのコンサルティングも行う。著書は200冊以上。
イラスト=雨月 衣