働く喜びは、生きる喜び
『熱狂宣言』は、松村厚久氏の、何が起ころうと絶対に屈しない精神と行動の軌跡です。若くして外食産業に進出し、既成概念を乗り越え、ビッグマウスと呼ばれても臆することなく、非効率・不可能と言われ続けても、「1店舗1コンセプト」を推進し、「100店舗100業態」を達成した斬新なアイディアと、その実践の“仕事熱”は常に加速するばかりです。同時に「株式を有し時価総額をもって会社の価値を語れる存在になる」「上場して、社員が銀行で住宅ローンを組めるようにしていく」「過酷な労働、低賃金の外食業界ではなく、(仕事における)チャンス、たくさんの給与が手に入るよう改善する」など、現実を直視しリアリストであり続ける、経営者・松村厚久氏の横顔にも迫ります。
「意思、感情、感覚、直感、すべてが冴え渡っていくんですよ。(中略)察知力、分析力、決断力も、病気の前とは比べものにならないほど鋭敏になりました。社員たちの力、仲間の力を借りながらですが、さらに大きな仕事に挑めることへの喜びもあります」(本文より、松村氏の言葉を抜粋)
2015年6月、1本の電話が鳴り、ダイヤモンドダイニングの東京証券取引所一部上場への指定変更の承認が告げられ、このノンフィクションは終わります。しかし本が完結しても、松村氏の人生は続きます。社長として、会社として、そして社員・スタッフひとりひとりの仕事も続いていきます。『熱狂宣言』は終わり、松村氏の“ネクスト”が始まっていくのだと痛感しました。
読書の秋に向かって、『熱狂宣言』を読んでみませんか? 故郷へ帰る列車の中で、出張に向かう新幹線の中で、休暇がとれない人は休憩時間に、通勤の電車の中で、渾身のノンフィクションに触れ、自分の中の“熱量”を確認してみてはいかがですか? 読後、何を感じ、何を想うか? あなたの“熱量”はきっとあなた自身の心が答えてくれるでしょう。