「プレミアム付き商品券」のおトク度と問題点

「プレミアム付き商品券」のプレミア率や購入単位、販売方法などは、自治体ごとに違います。

熊本県が発行した「プレミアム付き旅行券」、「くまもっと楽しむ旅行券」は、2500円で5000円分の阿蘇郡市内の宿泊費に使えるという50%のプレミア率で、7月に販売を開始し、すでに完売しています。

大阪市など、子育て世帯に優先購入権を設ける自治体もありました。

神奈川県湯河原町は、「湯河原温泉お座敷券」というユニークな企画を実施。8月1日から、温泉宿で芸者を呼んだ際のお座敷代に使える商品券を1万5000円(2万円分使える)で販売しています。

「プレミアム付き商品券」は、期間限定でおトクだから人気も高く、東京都では、販売を取り扱う信用金庫の職員が事前購入したり、顧客に優先販売していたことが7月に発覚し、ニュースでも話題になりました。また、販売窓口で先着順ということになると、高齢者や子育て世帯は並んでまで購入することができず、不公平なのではないかという声や、ネット販売のみでは、ネット環境が整わない高齢者が購入できず不公平だという声も。

逆に人気がなくて売れ残る「プレミアム付き商品券」もあります。理由は、使える範囲が狭い、往復はがきでの申し込みのみで手続きがわずらわしいなど。実際の「プレミアム付き商品券」の運営は地元の商工会などに委託されるので、利用できるのはそこに加盟している地元の商店に限定される場合がほとんど。また、販売所の近くの人だけが買いやすいという不公平をなくそうと往復はがきの申し込みのみにするなど、工夫をしたことが人気低迷の理由となっている自治体も。

人気のポイントは、プレミアム幅(どのくらいおトクか?)と使える場所の汎用性(買った後の使いやすさ)と、商品券そのものの購入しやすさにあるようです。

自分の住んでいる自治体では発行されないのか、いつ発行されるのか、ホームページや市の広報誌などで情報をチェックしてみてください。すでに自分が住んでいる所では販売が終了していたら、近隣の自治体で居住者でなくても購入できるものがないか調べてみましょう。ただし、確実に使えるものにしないとかえってソンになります。事前のネット申し込み、ハガキでの申し込みという自治体もあるし、販売が始まったら売り切れるのも早いと思われるので、まずは売り出し前に情報を知っておくことが大事です。

フリーライター 生島典子(いくしま・のりこ)
投資信託の運用会社、出版社勤務を経て独立し、2004年よりライター・編集者として活動。子育て、家計、住まい、働き方などが主な執筆テーマ。好きなことは、出産と住宅ローン。3人の子どもを助産院で出産した経験あり。