子どもの生活資金を援助する「暦年贈与」

最後にいちばんオーソドックスな「暦年贈与」を紹介します。

贈与税は年110万円を超えるお金をもらった人(贈与を受けた人)にかかります。つまり親から子どもへ年110万円まで贈与しても贈与税はかからず、申告の必要もありません。暦年贈与は年110万円までの贈与なら何人に対しても、誰に対しても無税で贈与できるので、嫁や孫にも贈与することができます。

こちらも2015年1月より「親、祖父母から子への贈与(直系)」と、「それ以外の贈与」に分けられ、直系に贈与する場合の税率が少し下げられました。

相続税対策として資産家が子どもへ暦年贈与するときの金額は主に3つのコースがあります。

【年100万円コース】
非課税枠内なので、贈与税は0円
【年300万円コース】
贈与税率10%なので、
[300万円-110万円]×10%=贈与税19万円
【年500万円コース】
贈与税率15%でも実際に負担する税率は10%以内になるので
[500万円-110万円]×15%-控除額10万円=贈与税48万5000円

贈与税は財産を残す親の相続税は資産が多いほど税率が高くなる累進課税であり、最高税率は2015年から55%になりました。資産家の相続税はかなりの高額になります。そこで今から少しずつでも子どもに無税で資産を渡す手段として暦年課税が使われることが多いです。