●所得が一定以上あるとサービスを受ける自己負担は2割に

介護保険サービスを利用するには、年収にかかわらず利用した金額の1割負担ですが、2015年8月からは、一定以上の所得がある人(年金収入が280万円以上など)は自己負担が2割となります。

1割から2割というと、今までより金額が2倍になるわけで、自然と利用と控える人も増えるでしょう。参考までに「要介護5」で最高月35万8300円までのサービスが受けられ、そのうちの自己負担分は1割で月3万5830円、2割で7万1660円です。

●所得の低い人は介護保険料が安くなる

介護保険料は自治体によって基準額が異なりますが、月5000円前後です。所得が低い人は段階的に保険料が軽減される仕組みですが、この軽減率が2015年4月より拡充されます。

この改正が唯一、負担軽減となるものですが、軽減の対象になる人は世帯全員の住民税が非課税か、本人が非課税である人が前提です。

誰しも福祉のお世話になる可能性は高い。徐々に老後の準備を!

以上、介護保険の主な改正について説明をしてきました。誰しも人生の最後のほうは、福祉のお世話になる可能性が高いです。そこで元気なうちに自治体の高齢者向けサポートを調べ、その時が来たら迷うことなく利用できるように準備をしておきたいものです。また機会があれば、民間施設も見学してみましょう。

老人ホームの金額は、目安として、特養なら月15万円+介護保険1割負担、民間老人ホームの一般的な施設で、入居金なしで月25~30万円+介護保険1割負担といったところです。自分が認知症になることは想像しづらいかもしれませんが、今日からでも徐々に老後資金を貯めていったほうがよさそうです。

マネージャーナリスト 坂本君子(さかもと・きみこ)
広告代理店、出版社にてサラリーで働くエディター、ライター、プランナー、コピーライターを経てフリーに。得意分野は投資、住宅関連。大ブレイクはしないけれど、仕事は堅実でハズさない。満を持して2008年に起業。個人投資家としての投資歴は15年選手(ちょっぴりプラス)。