●特養への入居は要介護3以上に限る

「特養」とよばれる特別養護老人ホームは公共の老人ホームで、一生涯、食事や入浴、排せつを含め、日常生活で手厚い支援を受けられ、費用も安くなっています。しかし、数がとても少なく、入所待ちの高齢者が2013年度は52万2000人(厚生労働省発表)にのぼります。これまでは介護認定を受ければ入所できましたが、介護保険の改正で2015年4月より、原則、要介護3以上に限ることになりました。

より重度の介護支援を必要とする人を特養に入りやすくする気持ちはわかりますが、要介護2以下の在宅生活困難者も多数おり、その人たちの居場所の確保が問題になっています。

また、圧倒的に足りない施設自体が増えない限り、空きがなかなかでないので、今の現役世代が老後になって特養に入りたいと思っても、いつまで待ってもサービスを受けることができません。高い介護保険料を納めているのに……、将来、特養に入るのはますます大変になりました。

●施設入居者向けの食事や部屋代の補助を縮小

公共の施設である特養や老健(介護老人保健施設)では、食事や部屋代は自己負担ですが、これまで所得が少ない人には自己負担分を軽減する仕組みがありました。今回の改正で、この基準が明確に、厳しくなります。

これまでは単純に所得(市区町村民税非課税)だけで判定していましたが、今後は遺族年金や障害年金(どちらも非課税)も収入としてカウントされます。また預金チェックもするそうです。

預金を持っていることが調査でわかったら、それまでより自己負担分が上がるというのはあまり気持ちのよいものではありません。