青森の「愛子さまフィーバー」

敬宮殿下への県民の歓迎ぶりもすごかった。宮下知事は、初日のX投稿で、その様子を「愛子様フィーバー」と表現していた。

「各地で“愛子様フィーバー”と言っていい熱狂ぶりでした。『あいこさまぁー』『キャー』『カワイイィー』が行く先々で響いていました」と。

初日の空港や沿道などでの奉迎者は県警発表の速報値で1万8336人。これは両陛下の初日をも上回る人数だった。

宮下氏はさらに次のようなX投稿をしていた。

「この数字は警察警備が入った部分の人数であり、青森県らしく農作業中に手を振る人、家から飛び出して呼びかける方、車を停めて写真に収めようとする方、実際はもっと多くの県民の方々に迎えていただいたと思います」

敬宮殿下は三沢市(ホテルグランヒルつたや)で昼食を取られた後、六戸町総合運動公園野球場(メイプルスタジアム)で軟式野球の試合をご覧になった。その後、八戸市埋蔵文化財センター是川縄文館に移られ、ここでかねて天皇陛下から感動を伝えられていた国宝の「合掌土偶」と対面した。

合掌土偶、縄文時代後期
合掌土偶、縄文時代後期(写真=PHGCOM/八戸市埋蔵文化財センター是川縄文館所蔵/CC-BY-SA-3.0/Wikimedia Commons)

天皇陛下が感動した「合掌土偶」

合掌土偶は、敬宮殿下がお生まれになるより前の平成12年(2000年)1月、皇太子として第55回国民体育大会冬季大会にご臨席のため当地を訪れられた際に、鑑賞されていた。敬宮殿下は、その時に陛下が「ものすごく感動した」ことを事前にお聴きになった上で、土偶と対面された。

この土偶は、形だけを見れば高さ19.8センチ幅14.2センチの、小さな人形にすぎない。しかし、その呼び名の通り、正面でしっかりと手(掌)を合わせ、指を組んで、座った状態で両腕を膝の上に乗せている。「祈り」を捧げているように見える。

そんな土偶が八戸市の新井田川右岸に位置する「風張1遺跡」から出土した。今から3500年前頃(縄文時代後期後半)のものとされる。

縄文時代の土偶は各地から多く出土している。しかし、完全な形で出土するのは極めて珍しい。

土偶は普通、捨て場や建物跡の外から出土する例が多い。ところが、この土偶は例外的に、竪穴住居跡の出入り口から向かって奥の壁に寄りかかるように置かれた状態で、見つかった。さらに、割れた部分はアスファルトを使って修復までしていた。

この土偶が大切に扱われていたことが分かる。