「迷ってなにもしない」が一番の損失
Netflixでの映画選びや次の旅行先のホテル予約、新しいイヤホンを買うときなど、だれもが日々「選択肢オーバーロード」な状況に直面していることでしょう。
その上で、私たちには「ベストを選びたい」という完璧主義に加え、「絶対に損したくない」という損失回避性も働きます。過剰な選択肢(オーバーロード)の中で、この「損への恐怖」が引き金となり、脳がフリーズしてなにも決められなくなるのです。選択をしない限り、少なくとも経済的な損失はありませんからね。
ですが、冷静に考えてみると「迷ってなにもしない」ことこそ、一番の大損害ではないでしょうか。悩んでいた時間は取り戻せない上、得るものはなにひとつないのですから。「やってみて失敗すること」よりも、「考え込んだまま動かないこと」がなによりもったいないと思います。
この最大の損失を防ぐために、まずは「損したくない」という気持ちを手放してみましょう。「失敗したくない」「最適な選択をしたい」と考えずに、なんでもいいからとりあえずひとつ選び取ってみるのです。ベストな選択肢を探し続けてスタートが遅れるくらいなら、不完全でも「とりあえず決める」ほうが、はるかに大きな価値を生みますから。
たとえば、英語学習アプリであれば、一番上に表示されたものでも、ザッとスクロールして目に付いたものでも、ダウンロードランキングで1位のものでもいいです。とりあえずひとつ、ダウンロードしてみる。もしも、そのアプリを使ってみて「自分には合わないな」「なんか使いづらいな」と思ったら、すぐにアンインストールして、次はダウンロード数第2位のアプリを試せばいいだけです。
コストを躊躇わず、まず行動してみる
たとえこれが、費用のかかるものであっても、私は同じ考えです。
学習塾の体験授業に数千円の費用が必要なとき。コストに躊躇う気持ちもわかりますが、それでもパッと払ってみたらいいと思うんです。だって、自分自身が体験してみるしか、塾との相性を確かめる方法はないのですから。口コミで他人の感想を読みながら迷い続けるより、ずっと効率的です。
もし、それで相性が悪ければ、当然「損した」気持ちになるかもしれません。
ですが、見方を変えれば「この塾とは合わないことがわかった」と考えられませんか? つまり、損ではなく「一歩前進できた」ということ。自分の行動を褒めて、前に進めた喜びを味わいましょう。そうした経験をくり返す中で、最終的に自分に最適な塾や学習方法が見つかれば、こんなにラッキーなことはありません。
「損したくない」気持ちは、必要以上に腰を重くします。
損失回避性が持つ「結局なにも得られない」というリスクを知っておけば、自分の「損を恐れるクセ」に自覚的になれるはずです。
常にパーフェクトを狙う必要はどこにもありません。一歩踏み出すこと。たくさん試すこと。それこそが、人生において、「なにもしない」という最大の損を防ぐための合理的な選択なのです。

