王室を揺るがす「暴露本」
この突然の「通告」に、ヘンリー王子とメーガン妃は驚きを表明したといわれる。
一方、兄のウィリアム皇太子はこの問題について平静を装っているように見えるが、内心は動揺しているといわれる。
背景には、英国民の18歳から34歳で「王室の存続」を望むのは33%しかいないという厳しい現実があるようだ(ニューズウィーク6月22日公開、調査主体:イプソス。ちなみに、同年代で共和制移行を望むのは45%、2013年の同年代の支持は74%という)。
ウィリアム皇太子は国民の王室離れを食い止めるために、「親しみやすい普通の人」というイメージを浸透させようと努力してきたといわれる。
しかし、世界屈指のトラブルメーカーである弟夫妻の帰国。さらに今秋に自身の息子・ジョージ王子が英国の超名門男子校・イートン校へ入学した(費用は年間約1300万円、1学年あたり約270人の英才が集う)ことで、現在は個人の支持率は高いものの、「親しみやすい」というイメージが崩れるかもしれない。
そこに次なる大スキャンダルが襲うといわれている。ELLE DIGITAL JAPANはこう報じている。
「ダイアナ元妃が亡くなって来年で30年になる。これを節目として、今月末に弟のスペンサー伯爵ことチャールズ・スペンサーがダイアナ元妃の回顧録を出版する。その中で元妃が亡くなった直後にチャールズ国王が発した暴言を明かし、イギリスマスコミを盛大に賑わせている」
回顧録といっても元妃本人の手によるものではない。弟のスペンサー伯爵が姉について書いた回想記で、タイトルは『Swan Song: Diana, My Sister』(スワン・ソング)、9月22日に発売される。
ダイアナ妃への“暴言”とは
その暴言とは?
各種報道によると、ダイアナ元妃が亡くなった数日後、エリザベス女王の関係者がスペンサー伯爵に連絡、ウィリアム王子(現皇太子)とヘンリー王子を元妃の葬儀に参加させるという決定を伝えてきた。スペンサー伯爵は幼い息子たちが、公の場で辛い目にあうことは姉も望まないと反対した。
その直後、チャールズ国王(当時は皇太子)がスペンサー伯爵に電話をかけてきたという。チャールズは「安心しろ」と言い、「我々はすぐに彼女のことなど忘れてしまう」と吐き捨てたというのだ。
このことについて、英王室はスペンサー氏の主張に反論。CNNによれば、国王の反応に直接言及した異例の強い調子の声明で、悲しみのあまりスペンサー氏の判断力が鈍っていた可能性をほのめかしたという。
「我々は原則として書籍についてはコメントしない。だが姉を失った悲しみは、たとえ長い年月がたっていようと、理性を曇らせ、判断力に影響を及ぼし、他人には理解できない形で記憶を染めてしまい得ることを、国王は心にとめている」(王室の声明)
チャールズはダイアナと結婚している時、人妻であったカミラ夫人(現・王妃)と不倫関係にあった。それがダイアナ妃を悩ませ、離婚の原因になったといわれている。
不慮の事故死となったダイアナ妃に、英国民だけではなく、世界中が涙した。今もダイアナ妃への思いは、英国民の中に強い。この回顧録が出版されれば、時間をかけて国民の信頼を築いてきたチャールズ国王の足元が再び揺らぎかねない。
お騒がせ次男一家の帰国。長男ウィリアム皇太子の“迷走”。その上、国王自らの古傷の暴露が加わる。
英国王室は日本の皇室同様多くの難問を抱え、混迷を深めているようだ。
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任する。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『編集者の教室』(徳間書店)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)、近著に『野垂れ死に ある講談社・雑誌編集者の回想』(現代書館)などがある。