突如イギリスに帰国したヘンリー&メーガン

世界屈指のトラブルメーカーであるヘンリー王子(42)&メーガン妃(45)一家が、アメリカからイギリスへ「出戻り帰国」して以来、彼らの家族についての情報がネット上にあふれている。

さすがに王室を離脱したといっても、注目度はいい意味でも、悪い意味でも、群を抜いているようだ。

英国のヘンリー王子(左)と妻メーガン妃=2026年4月、オーストラリア・シドニー
写真提供=ロイター/共同通信社
英国のヘンリー王子(左)と妻メーガン妃=2026年4月、オーストラリア・シドニー

だが、なぜ彼らが6年間いたアメリカから逃げるようにしてイギリスへ戻ったのかになると、どの報道も核心をついていない気がしてならない。

そこで、もう一度、彼ら一家が王室を離脱して、アメリカへ渡った経緯を振り返ってみたい。

2人が逃げるようにしてアメリカに移り住んだのは6年前だった。

理由はいくつかある。2人が結婚するとわかると、昼夜を分かたずパパラッチに追われ、身の危険を感じた。メーガン妃の人種をめぐって王室内で差別的な発言があったという夫妻の主張や、兄のウィリアム皇太子と仲違いしたこと……などといわれる。

訪米当初は、Netflixと5年総額約1億ドルで独占契約を結んだり、ヘンリー王子による王室暴露本『SPARE(スペア)』が発売1週目で320万部ものベストセラーになるなど、順風満帆かと思われた。

あっという間に賞味期限切れに

だが、次々と「王室暴露」を続けたため、「王室の特権を批判しながら自分たちのタイトル(公爵夫妻)や話題性を利用し続けている」という世論の反発が強まり、好感度が急落してしまった。

そこで、王室問題を離れたコンテンツ(スポーツ大会のドキュメンタリー『ハート・オブ・インビクタス~負傷戦士と不屈の魂~』やライフスタイル番組など)を企画・制作したものの、再び視聴者の関心を引きつけることはできなかった。メーガン妃の料理番組なども視聴率が伸び悩み、Netflix側は契約の縮小を行った。

2人の動向はエンターテインメントとして大量に消費されたが、あっという間に“賞味期限切れ”になり、人気急落した。

当然、収入面で大打撃だったろう。なにせ、彼らがアメリカで住んでいたのはカリフォルニア州サンタバーバラ郡のモンテシトにある大邸宅だった。ロサンゼルスから車で北西に2時間ほどに位置する超高級住宅街で、購入価格は1465万ドル(当時の日本円で約15.5億円〜16億円相当)といわれた。広大な敷地には9つの寝室や16のバスルーム、プール、テニスコート、庭園などが備わっていると報じられた。

さらに、長男アーチー王子(7)と長女リリベット王女(5)との生活のプライバシーと安全を、パパラッチやメディアから守るために警備費だけで年間200万ドル支払ったといわれる。

それでも「英国を愛している」

慈善事業や「友好のため」という名目の海外旅行もたびたび行っていたこともあり、母親のダイアナ元妃の遺産も食いつぶしたとの見方もある。

2人の帰国後の9月2日、トランプ大統領は記者団に問われ「メーガン妃の振る舞いが気に入らなかった。彼女は女王とチャールズ国王に対してひどく無礼だったと思う」とコメントしている。

夫婦が帰国したのは、露出の面でも経済面でも、これ以上アメリカにいても展望が開けないという“焦り”があったのではないか。

だが、不可解なのは、なぜこの時期に? ということだ。

ヘンリー王子は以前、メディアのインタビューで「自分は母国(英国)を愛している。自分の子どもたちに母国を見せられないのは悲しい」と語っている。子どもたちが学齢期を迎えるにあたり、アメリカのセレブコミュニティで育てるよりも、伝統的な英国の教育を受けさせたいという思いがあったのは確かだ。

引っ越し代は2000万円超

帰国に際しては、ヘッジファンド界の大物イアン・ウェイス氏がチャーターしたジェット機を使用したとされている。なんでも愛犬のプーラとミアを帯同するためだという。

ELLE DIGITAL JAPAN(9月7日付)によれば、「10時間のフライトで1時間あたり1万2000ドル(約190万円)の費用がかかるのが航空業界の常識。カリフォルニア州からイギリスまでは大体11時間くらいかかるので、サセックス公爵一家の引っ越し代金は、最低でも13万2000ドル(約2100万円)かかっている」(ヘンリー王子&メーガン妃があっさり帰国できた理由。金銭をサポートする大富豪の正体を探る【ピーチズのOM(F)G!】

帰国後、ロンドン西方・コッツウォルズ地方にある、友人が所有している邸宅を借りている。邸宅に拠点を構え、メディアの過剰な取材から守られた環境で育てようとしていると報じられている。現時点で、定住するための新居はまだ決まっていない。

澄んだ青い夏の空が広がるコッツウォルズ地方
写真=iStock.com/fotoVoyager
※写真はイメージです

私はコッツウォルズを映画『日の名残り』で知って憧れ、1990年代の中頃、2週間ばかりロンドンに滞在した時に行ったことがあった。

ロンドンから車で2時間くらいのところにある、美しい田園風景が魅力的な丘陵地帯だ。人間より多い羊の群れがのんびり草を食んでいた。

当時私はディズニーの『白雪姫』に出てくるようなキャラクターたちが出迎える鄙びた宿に泊まった。近くのストラトフォード=アポン=エイヴォンにはロイヤル・シェイクスピア劇場がある。私の遠い日の、極上の思い出である。

子どもたちはたった2日で転校

夫妻の子どもたちは、現在の仮住まいから地元の学校に通い始めた。子どもを育てる環境としてコッツウォルズは申し分ないが、セキュリティー費用はアメリカ以上になるだろうと報じられている。

ウェールズ公時代のチャールズ国王の警護を担当していた元警護官スコット・ハマー氏は、ELLE DIGITAL JAPAN(9月8日付)で、学校送迎の防犯上の難しさを具体的に指摘している。

「警護の基本は日程を厳格に管理して標的になる隙をなくすことだが、毎日の送迎は決まった時間に同じ場所を行き来するルーティンとなるため、走行ルートをどれほど変更しても出発地と到着地が特定されやすく、極めて困難な警備になる」(ヘンリー王子&メーガン妃、新生活最大の壁は「子どもの学校送迎」 元王室警護官が深刻なリスクを指摘

事実、子どもたちは新学期開始からわずか2日で別の学校に転校した。理由は警備上の事情だと夫妻の広報は説明している(英誌『ハロー!』9月14日)。

2017年のクリスマス当日、サンドリンガムで教会へ向かうハリー王子とメーガン・マークルさん
2017年のクリスマス当日、サンドリンガムで教会へ向かうハリー王子とメーガン・マークルさん(写真=Mark Jones/CC-BY-2.0/Wikimedia Commons

インスタで私生活を大公開

帰国後のヘンリー王子とメーガン妃の行動には首を傾げたくなることが多い。

現地時間9月5日(土)午前9時前という早い時間に、メーガン妃が会員制クラブ「ソーホー・ファームハウス」に現れたとデイリー・ビーストの記者でもあるトム・サイクス氏が伝えた。ファームハウスの会費は月額325ポンド(約6万9000円)から、だそうだ。

沈黙を破った夫妻は、次々驚くような行動に出る。

42歳の誕生日を迎えたヘンリー王子の姿を、メーガン妃が自身のインスタグラムに一挙に公開したのだ。

「王子が四輪バイクを運転。後部には英国の老舗スーパー『マークス&スペンサー(M&S)』のショッピングバッグを挟むようにアーチー王子とリリベット王女が座り、夫妻の愛犬である黒のラブラドールレトリバー『プーラ』が後ろを楽しそうについて走るという、飾らないアウトドアのひとコマが捉えられている」(ELLE DIGITAL JAPAN ヘンリー王子、英国帰国後初のバースデー! メーガン妃が秘蔵の家族ショットを一挙大放出

プライベート映像をSNSで発信する2人に批判が巻き起こった。夫妻がこれまで何度となく、SNSの危険性について警鐘を鳴らしてきたからだ。

長年メディアの危険性を発信していたのに…

この数日前にも、メーガン妃は英国での暮らしを切り取った30秒ほどの動画を投稿していた。子どもの顔こそ映していないが、自転車に乗る娘や暖炉で足を温める子どもの姿が収められている。

夫妻の相次ぐ投稿に対し「ニューヨークポスト」紙の「Page Six」では、先述のトム・サイクス氏が「アーチー王子とリリベット王女を登場させたことに違和感を覚える」とし、米国の王室コメンテーターのキンゼイ・スコフィールド氏は、「彼は長年、メディアの注目が幼少期に自分に与えたと信じているダメージについて語ってきたのに、今度は自分の子どもたちの幼少期の一部を世間に公開する側に加担しているのです」と指摘している。

ヘンリー一家が帰国した時点では、一家の安全を確保するため、具体的な住所は伏せられていた。したがって、安全の問題をヘンリー夫妻は最重要視していると誰もが思っていたのに……。

こうした不可解なヘンリー&メーガン夫妻の行動は、単なる「世間知らず」で済まされるものではない。

失礼を承知でいわせてもらえば、アメリカでは王室批判と私生活を切り売りしてカネを稼いできたため、常に注目を浴びていないと不安になる「往年のスター」のように、自分たちを追いかける“猟犬”たちに、自ら少しずつエサを与え、忘れられないようにしているのではないのかとさえ思ってしまう。

英国民からの大反発

お騒がせなヘンリー王子一家の突然の帰国は、英国民はもちろんのこと、兄のウィリアム皇太子(44)も寝耳に水だったそうだ。

夫妻の帰国に英国民は厳しい目を向けている。英紙の調査(ザ・タイムズ、8月24日)では、帰国に「否定・反対」が46%、帰国に「肯定・賛成」は27%で、約半数が不快感を示している。

大手調査機関(ユーガブ)の夫妻への好感度調査でも、夫妻に対する好感度は、メーガン妃に好意的22%・否定的65%、ヘンリー王子は好意的33%・否定的58%だった。

バッキンガム宮殿
写真=iStock.com/coward_lion
※写真はイメージです

こうした英国民の反発に、比較的ヘンリー王子に好意的なチャールズ国王もあわてたのだろうか、国王は、彼らの王室における立場について明確な見解を示した。

9月7日、国王に代わって侍従長から、英国政府の主要高官、軍の高官、夫妻の関係者宛に、ある書簡が送られた。CNNが報じた内容によると、書簡本文は「2020年1月に公務から退き、現在は王室の公務を担うメンバーではないことは周知の事実」「その立場は今後も全面的に尊重される」「サセックス公爵夫妻の現在の地位に変更はない」というものだった。

王室を揺るがす「暴露本」

この突然の「通告」に、ヘンリー王子とメーガン妃は驚きを表明したといわれる。

一方、兄のウィリアム皇太子はこの問題について平静を装っているように見えるが、内心は動揺しているといわれる。

背景には、英国民の18歳から34歳で「王室の存続」を望むのは33%しかいないという厳しい現実があるようだ(ニューズウィーク6月22日公開、調査主体:イプソス。ちなみに、同年代で共和制移行を望むのは45%、2013年の同年代の支持は74%という)。

ウィリアム皇太子は国民の王室離れを食い止めるために、「親しみやすい普通の人」というイメージを浸透させようと努力してきたといわれる。

しかし、世界屈指のトラブルメーカーである弟夫妻の帰国。さらに今秋に自身の息子・ジョージ王子が英国の超名門男子校・イートン校へ入学した(費用は年間約1300万円、1学年あたり約270人の英才が集う)ことで、現在は個人の支持率は高いものの、「親しみやすい」というイメージが崩れるかもしれない。

そこに次なる大スキャンダルが襲うといわれている。ELLE DIGITAL JAPANはこう報じている。

「ダイアナ元妃が亡くなって来年で30年になる。これを節目として、今月末に弟のスペンサー伯爵ことチャールズ・スペンサーがダイアナ元妃の回顧録を出版する。その中で元妃が亡くなった直後にチャールズ国王が発した暴言を明かし、イギリスマスコミを盛大に賑わせている」

回顧録といっても元妃本人の手によるものではない。弟のスペンサー伯爵が姉について書いた回想記で、タイトルは『Swan Song: Diana, My Sister』(スワン・ソング)、9月22日に発売される。

ダイアナ妃への“暴言”とは

その暴言とは?

各種報道によると、ダイアナ元妃が亡くなった数日後、エリザベス女王の関係者がスペンサー伯爵に連絡、ウィリアム王子(現皇太子)とヘンリー王子を元妃の葬儀に参加させるという決定を伝えてきた。スペンサー伯爵は幼い息子たちが、公の場で辛い目にあうことは姉も望まないと反対した。

その直後、チャールズ国王(当時は皇太子)がスペンサー伯爵に電話をかけてきたという。チャールズは「安心しろ」と言い、「我々はすぐに彼女のことなど忘れてしまう」と吐き捨てたというのだ。

このことについて、英王室はスペンサー氏の主張に反論。CNNによれば、国王の反応に直接言及した異例の強い調子の声明で、悲しみのあまりスペンサー氏の判断力が鈍っていた可能性をほのめかしたという。

「我々は原則として書籍についてはコメントしない。だが姉を失った悲しみは、たとえ長い年月がたっていようと、理性を曇らせ、判断力に影響を及ぼし、他人には理解できない形で記憶を染めてしまい得ることを、国王は心にとめている」(王室の声明)

ダイアナ妃 1997年6月17日、ワシントンD.C.にて
ダイアナ妃 1997年6月17日、ワシントンD.C.にて(写真=John Mathew Smith & www.celebrity-photos.com/ダイアナ妃(ワイド版)©著作権2010/CC-BY-SA-2.0/Wikimedia Commons

チャールズはダイアナと結婚している時、人妻であったカミラ夫人(現・王妃)と不倫関係にあった。それがダイアナ妃を悩ませ、離婚の原因になったといわれている。

不慮の事故死となったダイアナ妃に、英国民だけではなく、世界中が涙した。今もダイアナ妃への思いは、英国民の中に強い。この回顧録が出版されれば、時間をかけて国民の信頼を築いてきたチャールズ国王の足元が再び揺らぎかねない。

お騒がせ次男一家の帰国。長男ウィリアム皇太子の“迷走”。その上、国王自らの古傷の暴露が加わる。

英国王室は日本の皇室同様多くの難問を抱え、混迷を深めているようだ。