“背伸び”した本選びが「質」を上げる

石井光太『「ことばで伝える」ができない子どもたち』(日本実業出版社)
石井光太『「ことばで伝える」ができない子どもたち』(日本実業出版社)

これらの中には、親にしてみれば「中学生には少し早いのではないか」「難しいかもしれない」と感じる作品もあるかもしれませんが、読書には“背伸び”が重要です。少し大人の世界を垣間見るほうが、興味深かったり、得るものが大きかったりするのです。

そして、それが読書の質を上げることにもつながります。

高校生くらいになれば、「新書」もお勧めです。新書はワンテーマで、それぞれの世界への入門編として書かれています。政治や経済から推し活まであらゆるテーマが揃っていますので、思春期の子たちが自分の関心や悩みに合った本を選ぶことが可能です。

私もこれまで新書を10冊以上出版してきました。その経験からいえば、1冊の中には、大学で半年くらい講義をしたのと同じくらいの内容が詰まっています。仮に高校生が2冊読めば、大学の講義を1年間聴講したくらいの知識を身につけられます。

石井 光太(いしい・こうた)
ノンフィクション作家

1977年東京生まれ。作家。国内外の貧困、災害、事件などをテーマに取材・執筆活動をおこなう。著書に『物乞う仏陀』(文春文庫)、『神の棄てた裸体 イスラームの夜を歩く』『遺体 震災、津波の果てに』(いずれも新潮文庫)など多数。2021年『こどもホスピスの奇跡』(新潮社)で新潮ドキュメント賞を受賞。