国民が示す「女性天皇」への賛成の意思

時代錯誤な「男系男子」限定にこだわった先の皇室典範改正後の世論調査でも、7割から8割以上の国民が「女性天皇」への賛成の意思を示している。

毎日新聞(7月18、19日)賛成=72%
読売新聞(7月24日〜26日)賛成=85%
※この調査では「皇室典範を再び改正して女性天皇を認めること」への賛否を問うている。
日経新聞+テレビ東京(7月24日〜26日)賛成=84%
共同通信(7月25日、26日)賛成=81.0%

こうした賛成の多さは、とりわけ敬宮殿下への共感と期待の高さが背景にあると見てよいだろう。

それは単なるアイドル的な人気ではない。天皇陛下が体現されている皇室の大切な精神を、最も純粋に受け継がれているのが直系の長子でいらっしゃる敬宮殿下であることを、国民が無意識的にでも直覚しているからとしか考えられない。したがって、敬宮殿下の卓越した求心力は「世襲制」の必然と言うほかない。

「愛子天皇」が皇室を救う

読売新聞が皇室の方々のご本心に迫る興味深い記事を載せていた(7月18日付)。

「小泉政権下の有識者会議が『女性・女系天皇』を容認した2005年。ある宮内庁の元幹部によると、天皇陛下は直系継承の安定に資する方策に理解を示した上で、『慎重に進めてほしい』と望まれた。性別に限らず長子優先の皇位継承が認められれば、長女愛子さまがいずれ即位される。『その未来を見据えたお言葉だ』と元幹部は感じとった。秋篠宮さまも天皇家を支えるお立場で『その方向でよい』と賛同されたという」

この記事は、これまで知られている天皇陛下や上皇陛下のおことば、さらに側近奉仕者の発言などと整合的だ。

とくに秋篠宮殿下は、記者会見で繰り返し悠仁親王殿下へのいわゆる帝王学をめぐる質問を受けても、一度も真正面からお答えになったことがない。また、実際にそのような特別の教育がなされている形跡もない。

この事実は、「(天皇陛下の“長女愛子さまがいずれ即位される”)その方向でよい」という秋篠宮殿下ご自身のご判断によるものだったと考えると、素直に納得できる。時代が平成から令和にうつる時に、自ら「皇太子」類似の称号を辞退され、傍系の表示である「秋篠宮」という宮号を維持されたのも、同じ理由からだろう。

皇室の未来に「愛子天皇」を展望する点で、皇室の方々のお考えと多くの国民の願いは、ぴったり一致している。客観的にも、一夫一婦制で少子化なのに伝統でもない「男系男子」限定ルールをそのまま維持することは、皇位の継承を行き詰まらせ、皇室の存続を危うくする。

だから皇位継承問題の解決策はただ1つ。皇室典範を再改正して、皇位継承資格の男系男子限定を解除することだ。その先に皇室の危機を救う「愛子天皇」の可能性が浮かび上がる。

高森 明勅(たかもり・あきのり)
神道学者、皇室研究者

1957年、岡山県生まれ。国学院大学文学部卒、同大学院博士課程単位取得。皇位継承儀礼の研究から出発し、日本史全体に関心を持ち現代の問題にも発言。『皇室典範に関する有識者会議』のヒアリングに応じる。拓殖大学客員教授などを歴任。現在、日本文化総合研究所代表。神道宗教学会理事。国学院大学講師。著書に『「女性天皇」の成立』『天皇「生前退位」の真実』『日本の10大天皇』『歴代天皇辞典』など。ホームページ「明快! 高森型録