栄養学的に理想のダイエット法とは

ダイエットして体重を減らすためには、単純にいえば、1日の消費カロリーが摂取カロリーを上回ること(インプット<アウトプット)の継続が必要です。

一方で、ダイエットが健康を妨げないことも重要です。栄養学的には理想のダイエットをどのように考えればよいでしょうか?

喜田聡『大学4年間の栄養学が10時間でざっと学べる』(KADOKAWA)
喜田聡『大学4年間の栄養学が10時間でざっと学べる』(KADOKAWA)

ダイエットにおいて大切な点は、健康を保つため、33種類の栄養素を過不足なく摂取することです。太る原因は中性脂肪(トリアシルグリセロール)を貯め込むことです。この観点から、脂肪や脂肪に変換される糖分を取らなければよいことになります。

しかし、栄養学的な観点からは、脂肪は決して悪玉ではなく、細胞膜などを中心にして体を作る観点からは欠かせない栄養素です。また、糖分は生命維持に必要なエネルギー産生に不可欠です。そこで、健康的にダイエットを成功させるためには、脂肪と糖分を取りすぎないことがポイントになります。

さらに、タンパク質、ビタミン、ミネラルは必要量摂取する必要があります。毎日の食事の成分を調べて、脂肪と糖分のみを控え気味にすることが健康なダイエットです。

認知行動療法によるダイエット成功の秘訣

異なる視点からいえば、過食症や肥満の認知行動療法を参考にすることもダイエットを成功させる秘訣といえます。以下がその例です。

①体重パターンの認知化(自己モニター):毎日体重をメモすることでその増減の理由を認識して、食生活の問題を把握します。

②生活習慣の改善:通勤時にコンビニに寄って必要のない食物を買う習慣があれば、通勤経路を変えます。

③感情コントロール:仕事が忙しいと口寂しくてスナック菓子を食べてしまう場合、カロリーの少ないものに変更します。

④栄養・食品の知識:栄養素と食品の知識を増やして、カロリーの少ない食物を選択します。

⑤運動習慣:ありきたりですが、運動習慣をつけます。

喜田 聡(きだ・さとし)
東京大学大学院農学生命科学研究科応用生命化学専攻教授

1994年3月、東京大学大学院農学研究科農芸化学専攻博士課程修了。東京農業大学応用生物科学部バイオサイエンス学科教授などを経て、現在は東京大学大学院農学生命科学研究科応用生命化学専攻教授。日本神経精神薬理学会理事、日本農芸化学会理事を歴任。文科省科研費新学術領域(領域提案型)「マイクロ精神病態」領域代表、ムーンショット型研究開発事業として「食の心理メカニズムを司る食嗜好性変容制御基盤の解明」のプロジェクトマネージャーなども務めた。