不可逆となった少子化社会

前田 正子『子どもの消えゆく国で』(岩波書店)
前田 正子『子どもの消えゆく国で』(岩波書店)

日本で100万人を超える子どもが生まれたのは2015年が最後です。そして、25年の出生数は67.1万人と過去最少でした。今後どれほど有効な政策が展開されたとしても、将来出生数が大きく増加することは望めないでしょう。

なぜなら、これからは母親になりうる女性の数そのものが減っていくからです。就職氷河期世代の子ども世代にあたる層、例えば2040年に30歳になる女性は52万人、2050年に30歳になる女性は41万人しかいないのです。

2000年代の政策の失敗は、今さらどうあがこうと取り戻せません。今後人口が減少していく日本社会をどうするのか――。国が、そして国民一人ひとりが、真剣に考えなければならない時期が来ています。

【図表3】母の年齢別にみた出生数の年次推移(2022~2025年)
出典=厚生労働省「令和7(2025)年人口動態統計月報年計(概数)の概況」を編集部で一部加工

取材・構成=辻村洋子

前田 正子(まえだ・まさこ)
甲南大学マネジメント創造学部教授

こども家庭庁審議会委員。専門分野は少子化・社会保障・保育政策。早稲田大学教育学部卒業。松下政経塾を経てノースウエスタン大学にてMBA取得。慶應義塾大学大学院商学博士。第一生命経済研究所ライフデザイン研究本部主任研究員、横浜市副市長等を経て現職。主な著作に『無子高齢化 出生数ゼロの恐怖』『母の壁 子育てを追いつめる重荷の正体』『子どもの消えゆく国で 「無子高齢化」と地域の子育て』(岩波書店)。