「万が一の場合」の試算をしておく
ペアローンを利用する夫婦はパワーカップルが多いとされていますが、世帯収入が多かったとしても、ストックがあるとは限りません。ペアローン団信を利用する場合は、「万が一の場合、これくらいなら払える」という試算をし、金融機関の担当者ともシミュレーションをした上で利用をするようにしていただきたいと思います。
また、ペアローン団信を利用しない場合には、相手に万が一のことがあると、一人でローン返済を続ける必要があります。子育てなどをしながら返済を続けられるのか。また、年齢を重ねれば誰しも更年期や病気で思うように働けないリスクも出てくるでしょう。住宅ローンは人生の大半に関係するものであることを今一度考慮し、メリット・デメリットを見極めていただきたいと思います。
「50年ローン」は落とし穴だらけ
最近では、「50年ローン」について若いお客さまから相談されることも増えました。お世話になっている20代の美容師さんも、「20代で戸建てを持てるならいいっすよね」と、目をキラキラさせながら話していたのですが、私は50年ローンにも警鐘を鳴らしておきたいと思います。
そもそも、50年という長期に及ぶ借り入れは、当然ですが、利息も大きくなります。月々の返済額は抑えられても、返済総額でみれば何百万円と損をしてしまう可能性が高いでしょう。
「繰上返済して65歳までに完済すればいい」と言う不動産業者や金融機関の担当者もいるようですが、ライフスタイルや経済状況の変化によって後ろ倒しにならざるを得ない可能性も、十分、あり得ます。つまり、「繰上返済」という不確定なものを頼りにするのは危険だ、ということも頭に入れておいていただきたいです。
そして今は金利上昇の局面ですよね。一昨年まで1%前後だった固定金利も、現在は3~4%台で推移しています。最低賃金の引き上げも後ろ倒しになりそうな気配で、戦争による物価高騰も続いています。まさに先行き不透明な時代だからこそ、これまで以上に住宅ローン選びは慎重にしたいところです。
構成=小泉なつみ
慶應義塾大学卒業。2005年に女性向けFPオフィス、エフピーウーマンを設立。10年間取締役を務めたのち、現職へ。全国で講演・執筆活動・相談業務を行い女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。著書は『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年前後のお金の強化書』(きんざい)など多数。FP Cafe運営者。