夏休みの旅行を子どもの学習に活かすことはできるのか。プロ家庭教師集団名門指導会代表の西村則康さんは「教育熱心な親は、良かれと思って、いろいろなところへ連れて行こうとする。だが、どこへ行くかよりも重要なことがある」という――。
ビーチで楽しむ家族
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期待を裏切るのが子ども

6月になり、そろそろ夏休みの計画を立て始める頃だろう。「今年はどこへ旅行しようか」「帰省はするか否か」「旅行はしたいけれど、受験勉強もあるし……」など、子どもの年齢や親の都合によっても選択は変わってくるだろう。だが、家族で一緒に旅行をしたり、帰省をしたりできるときは、そう長くはない。なぜなら、中学生になれば、子どもには子どもの世界ができ、いつまでも「家族みんなで」というわけにはいかなくなるからだ。

中学受験の指導をしていると、「夏休みに家族で旅行へ行こうと思っているのですが、どういうところに連れて行くと、子どもの勉強につながりますか?」といった質問をよく受ける。つまり、「家族旅行はしたいけれど、お金と時間をかけて家族旅行をするからには、何かメリットがほしい」ということなのだろう。しかし、その期待を見事に裏切るのが子どもだ。

北海道の名産物の会話で…

昨今、教育でも「体験」が重視されている。すると、教育熱心な親は、わが子のために良かれと思って、小さいときからあちこちいろいろなところへ連れて行こうとする。その考えを否定するつもりはないが、ただ連れていけばいいというものでもない。大量学習で学んだ知識が右から左へと流れてしまうように、多すぎる体験は記憶に残りにくい。

以前、教え子に北海道の名産物について話をしたことがあった。すると、横から母親が「ちょっと、利尻島で昆布をたくさん見たじゃない。覚えていないの?」と詰め寄ってきた。子どもの反応は「えっ? そうだった?」。つまり、まったく記憶に残っていなかったのだ。残念ながら、こんなことは多々ある。だから、過度に期待しないほうがいい。だが、ときにその後の勉強にうまく結びつくこともある。ポイントは3セットで捉えることだ。