20代男女が非婚化するワケ
外食、中食、宅配、インスタント食品、レトルト食品、冷凍食品など料理をしなくても食べられる選択肢が充実し、ネット通販で買い物を済ませて、ロボット掃除機、乾燥機付き洗濯機、食器洗い乾燥機など家事を自動化できるようになった現代においては、家事に割く時間を減らしても快適に生活できるようになっています。
こうして増やした可処分時間を「ひとり時間」として楽しめるようになったのも非婚化が進んでいる要因のひとつかもしれません。
これらの結果が示しているのは、「結婚しなくてもよい」という価値観が、20代男性で強まっている現実です。少なくとも、「○歳までに結婚すべき」という昭和型の“結婚適齢期”の感覚が、急速に弱まっていることは間違いないでしょう。
しかも、「結婚したい」と考える20代女性に対し、同年代の男性は「結婚しなくてもよい」と考えている――そうした男女の感覚のずれが、近年の非婚化に拍車をかけているのかもしれません。
最後に、「一人ひとりが異なって当たり前」という多様性を認めることで、「○○すべき/○○しなければならない」という強迫観念から解放されるのは、社会構造が変化していく現代において必然性が高いことと言えるでしょう。
文=プリンシパル・アナリシス・デザイナー 鶴田育緒
1960年に創業。インテージグループは、日本のみならずアジアNo.1(*)のマーケティングリサーチ会社であり、生活者の意識・行動データを長年にわたり蓄積・分析している。全国規模の消費者パネルデータや各種調査を通じて、消費・メディア・社会意識の変化を定点観測し、企業・行政・研究機関にも知見を提供。事業ビジョンとして「Create Consumer-centric Values」を掲げ、生活者中心マーケティングの実現・支援に力を尽くしている。本書では、同社が長年培ってきたデータと分析知をもとに、現代社会の実像を読み解く。 *「ESOMAR’s Global Top-50 Insights Companies 2025」に基づく(グループ連結売上高ベース)
