インフルエンザの予防接種は対象外
意外なものとしては、マッサージやスポーツジム、温泉も医療費控除の対象となるケースがあります。鍼灸師などの資格者から治療を目的とした施術を受ける場合は対象となりますし、医師から「温泉療養指示書」をもらい、認定された施設での温泉利用であれば医療費控除の対象となります。まさに“湯治”ですね。
スポーツジムも同じように医師から「運動療法処方箋」を受け、厚生労働省指定の施設に通う場合、対象となります(温泉・スポーツジムともに下限回数などの制限あり)。
逆に、健康増進や疲労回復のためにジムや温泉、マッサージに行っても医療費控除は受けられませんので、ご注意ください。
そしてよくお客様から質問されるのが、予防接種です。子どもの日本脳炎やBCGといった定期接種は無料の場合が多いですが、任意接種となるおたふくかぜワクチンやインフルエンザワクチンといった予防接種は全額自己負担となり、多子世帯ほど負担は重いですよね。しかし、予防接種はその名の通り「予防」目的のため、医療費控除の対象外となります。
同じく「予防」目的となる健康診断や人間ドックも基本的に対象外ですが、人間ドックや健康診断で病気が発見され、治療を開始した場合は医療費控除の対象となりますので、念のため領収書は捨てずにとっておきましょう。
「保険適用=医療費控除の対象」とは限らない
ここまで医療費控除のボーダーラインについて説明してきましたが、そもそも年間の医療費が10万円未満の場合、医療費控除の利用ができません。そんな時は、セルフメディケーション税制の利用を検討してみましょう。セルフメディケーション対象の医薬品購入金額が年間1万2000円以上なら、セルフメディケーション税制の対象になる可能性があります。
「健康保険適用の治療=医療費控除の対象」と考えている方が少なくありませんが、医療費控除の場合、治療目的であれば、自由診療や市販薬であっても対象となるケースもあります。医療費控除の対象となるボーダーラインをしっかり覚えて、節税に役立ててくださいね。
構成=小泉なつみ
慶應義塾大学卒業。2005年に女性向けFPオフィス、エフピーウーマンを設立。10年間取締役を務めたのち、現職へ。全国で講演・執筆活動・相談業務を行い女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。著書は『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年前後のお金の強化書』(きんざい)など多数。FP Cafe運営者。