上手下手ではなく、表現すること自体が大事「お絵描き」

 お絵描きは上手に絵を描くための訓練ではありません。頭にある何かを、外に出す練習です。ぐちゃぐちゃの線でも、おかしな色の組み合わせでも、立派な「表現」です。

 世界的に活躍する建築家の多くは、幼い頃からデッサンやスケッチに親しんでいます。美術の教科書にあるような「正確な絵」ではありません。自分が見たものを思うままに表現する――この訓練が創造力を高めるのです。

 親がやりがちな失敗は「もっとこうしたほうがいいよ」と批評したり手を加えたりすること。そうではなく、「ここはこんな色にしたんだね」と事実を言葉にしてみてください。子どもは自分の選択を肯定されたと感じます。

 必要なのは、上手に描くための指導や高価な画材ではなく、じっくり描く時間と作品を受けとめる親の存在なのです。

認知の発達を促す遊び「隠しっこ」

 4〜6歳の子どもがいると、僕は「隠しっこ」をよくやります。公園でペットボトルのキャップなどを草の陰やベンチの下に隠し、互いに当てっこするシンプルな遊びですが、脳の認知発達に効果的です。

「このあたりかな」と予想して捜しまわり、「あった!」と見つけた瞬間に子どもの脳内ではドーパミンが放出されます。この達成感が「もう一度やりたい」という意欲を生み、探究心を高めることにもつながります。

 より高度な脳の訓練は、実は隠す側になったとき。すぐ見つかる場所はつまらないし、見つからなければ遊びにならない。ちょうどいい難易度に調整するには知性やセンスが必要です。

 相手がキャップに近づいたら「あ、見つかっちゃう」とヒントを出すなど、親が「相手に合わせた調整」を実演することで、子どもは他者への配慮も学びます。

「あった!」と見つけた瞬間 子どもの脳内ではドーパミンが大放出

※本稿は、『プレジデントFamily2026春号』の一部を再編集したものです。