「高金利のカードローン」を頼れば本末転倒

クレジットカードの分割払いやリボ払い、カードローンの金利は住宅ローンよりもはるかに高く、15~18%前後であることが一般的です。たとえば100万円を借りれば、利息負担だけで年間15~18万円です。ローン返済は未来のご自身が自由に使えるはずだったお金を毎月確実に減らします。さらに高金利ローンの借り入れを促すかもしれません。

焦って住宅ローンの繰り上げ返済を進めたために、資産を減らし、カードローンなどの高金利ローンを抱えてしまっては、本末転倒ではないでしょうか。

ここまでの話をまとめると、Aさんファミリーのようなケースでは「繰り上げ返済は適切な選択ではない」という結論に至ります。

では「借り換え」はどうなのでしょうか。変動金利型から固定金利型への切り替え、あるいはより低い金利の変動金利型への乗り換えです。

「条件がよい」のであれば、問題ないでしょう。しかし、借り換えが有効な選択肢となるケースは、実際には限られます。

「借り換えの諸費用」に数十万~100万円かかる

まず、固定金利型は一般に変動金利型よりも当面の適用金利が高くなりやすく、切り替えた時点で毎月返済額や利息負担が増える可能性があります。金利上昇への不安を抑えられる半面、その安心のために追加コストを支払うかたちとなります。

そのうえ、借り換えには審査があり、コストがかかります。例えば、抵当権の登記費用や印紙税、金融機関に支払う手数料など。これらを合算すると数十万円から100万円を超えることもあります。家の購入時にも同様の諸費用を支払ったはずです。これらの費用の多くは掛け捨てで、住宅ローン全期間で見れば、そのぶん負担は確実に上乗せされます。

書類にサインをするカップル
写真=iStock.com/Rob Daly
※写真はイメージです

もし借り換えを検討されるなら、家の購入当初に支払った諸費用も含めて効果を検証してみてください。安心を買うためのコストとしては、高すぎるものかもしれません。

繰り上げ返済も借り換えも、根本にあるのはこれから先の生活への不安ではないでしょうか。もしそうなのであれば、着手すべきは、自分たちの状況を棚卸しし、優先順位を見つけるプロセスです。