格好よくお金を使える
粋な大人を目指せ

60代の今は老後と相続への関心が高まっている。このテーマで今年は2冊の本を出版。写真左は『ご機嫌な老活』(日経BP社)。写真右は最新刊の『相続のことがまるごとわかる本』(大和書房)。

財産を蓄えるのはもちろん大切ですが、人生、お金の使い方も大切ですね。

お金がたくさんある人はある人で、中途半端にある人はそれなりに、みんな長生きしたらどうしようって不安なんです。そうすると、けっこうケチになるんですよ。でも、あの世にお金を持って行けるわけではないし……。

僕は、ここまで現役でやれているという前提もありますが、いいお金の使い方をしたいと思っています。

僕にとって仲間の存在は大きいんです。仕事で若い人が息子みたいな感じでつきあってくれたり。その分、みんなのケアをしなきゃいけないと思っています。若い人たちをちょっとサポートするとか、そんなことを大切にしたいんです。震災で両親を亡くした子どもたちのための基金を和田アキ子さんとつくりましたし、まだ立ち直れないでいる同級生もいますから、たまには一緒にパーっと旅行に行ったりもしたいですね。

お金に余裕のある人には、格好いい使い方をしてほしいですね。ビジネスと関係ない、領収書のないお金を人のために使えたら格好いいと思います。

池波正太郎さんのエッセーにあったんですが、例えばレストランでご飯を食べて、お釣りが300円とか出ても「釣りはいらねえよ」って言えるような、そんな粋な大人になってくれって。それは僕の目標なんですね。見栄を張らずにそれが似合うのが粋な大人じゃないでしょうか。

資産運用にしても、守りがきちんとしていれば投資で損しても明るく話せますよね。それもある意味、格好いいと思います。

プレジデントの読者の方には、お金と格好よくつきあえる、粋な大人を目指してほしいですね。(談)