中学受験は塾代だけで約230万円
そうはいっても気になるのが家計負担だ。教育費は住宅費・老後資金と並ぶ人生の三大支出と言われ、特に大学関連費用は青天井で高額になりやすい。中高一貫コースの場合、中学受験対策と中高の授業料が上乗せされ、経済的負担が重くのしかかる。
特に難関中学の場合、ハイレベルな定番問題を一通り押さえたうえで、処理能力や思考力を問われる。小学校の授業だけでは太刀打ちできず、小4~小6の中学受験対策は必須と考えたい。この塾費用だけでも約230万円(「令和5年度子どもの学習費調査」、大手学習塾・予備校の発表資料を基に試算)に達し、小1~小3の平均的な学習費用を加えると小学校6年間での教育投資は約340万円となる。
ただ、一貫校に入ってしまえば、中学の3年間は学校のカリキュラムをしっかりこなせばよい。著しい苦手分野があれば補習も必要だが、授業メインで基礎固めが可能となっている。
一方で公立高校の場合は、圧倒的に授業料が安いというイメージを持つ人も多い。しかし、ゴールを東大・京大への進学に設定すると、この差は想像以上に縮まりやすい。都市圏の最上位校ではオール5に近い内申点が必須で、学科試験でもトップレベルの得点力が前提条件となるからだ。
「公立高校=安い」は大間違い
特に差が付きやすいのは英語だ。埼玉県のツートップである浦和高校・大宮高校では、英検2級取得により調査書で加点措置がある。裏を返せば高校中級程度と言われる準2級レベルが標準的水準とも言える。大阪府の場合は、全高校で英検2級取得により入試英語の80%得点、準1級で100%得点となる。しかし、京大合格者数No.1の北野高校では80%得点でも合格ラインに届かない可能性があり、実質的に2級以上が求められていると言っても過言ではない。中1・2では主要3教科、中3で5教科を塾に頼るのが安全だが、3年間で約140万円を要する。
こうした最上位層の勝負は小学校から始まっており、平均的な塾費用の2倍程度を見込んでおきたい。また、内申点に注目すると、実技科目の比重が高い自治体もある。東京都をはじめとした10都府県では主要教科の2倍換算であり、スポーツ・文化活動への投資も欠かせない。こうした素養は小学校低学年までに下地が決まってしまうとも言われるため、筆者試算では、教科外のスポーツ・文化体験として、平均支出の2倍程度を想定した。
公立トップ校ルートでは授業料が安い一方で、学力と内申点を高水準で両立する必要がある。結果として、塾や教科外活動への投資が積み上がり、学費以外では想像ほどのコスト差は生じにくい。


